質の高いデータ分析は、どうすれば実現できるのか。そのために重要なことは「データ品質」の維持だと、データ分析を成長に生かすエネルギー企業のEmber Resourcesは指摘する。それはどういうことなのか。
石油やガスといったエネルギー資源を扱うEmber Resourcesは、長年にわたってデータ分析を自社のビジネス発展に役立てている。同社は限られた従業員で数千個の坑井(エネルギー資源を採掘するための井戸)を維持する上で、データを効果的に管理・分析することを重視していると、同社のデータおよび情報分野のマネジャーであるロニー・チン氏は説明する。
従来の企業で一般的な「決められたスケジュールに基づく」という方式ではなく、データによってニーズを決定する方式を採用することで、Ember Resourcesは機敏性を保っている。従業員を増やすことなく、増加する坑井を操業する能力に加え、ワークフローの自動化により業務遅延を抑える効果も得られた。「メンテナンスすべき坑井を絞り込むことができた」とチン氏は述べる。
最近では、他社または政府を通じてエネルギー資源を取得する機会がしばしばある。Ember Resourcesはデータマネジメントとデータ分析への投資により、そうした機会を迅速かつ確実に生かせるようになり「過去数年間で大幅な成長を遂げている」(チン氏)。
これまでの道のりは平らではなく、Ember Resourcesはさまざまな困難に直面した。特にチン氏が重視するのがデータ品質の維持だ。
データの出どころはどこなのか。収集されるまでの間にどのような操作が施されたのか――。これらの要素はデータ品質に直結する。「データ品質は、あらゆるデータマネジメントシステムにおいて重視されなければならない」とチン氏は語る。
部門ごとの業務に特化したシステムが乱立すると、システム間で連携が取りづらくなるサイロ化が進む。「人々は、こうしたサイロ化したシステム内にあるデータを共有したくないと考えている」とチン氏は語る。こうした事態は、データの適切な集約と管理を困難にする。結果としてデータの価値低下を招く。
Ember Resourcesにとって、データ品質を維持するために重要なことは、適切なシステムを見つけることだった。そして同社は、適切なデータマネジメントの鍵は一貫性であることに気付いた。「基本を気にせずに斬新な技術を追い掛けようとする企業が多過ぎる」とチン氏は指摘する。世の中には数え切れないほどのIT製品・サービスが出回っている。「本当にすべきことは、その中から自社に合うものを選択して、それを長期間使用することだ」(同氏)
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