「CES 2021」で登場
テレワークが進むPCとは? Elite Folio、ThinkPad X12、Latitude 7320から探る
PC大手のHPとLenovo、Dellは「CES 2021」で、テレワークでの利用を想定したノートPCを披露した。「場所を問わず高い生産性を発揮したい」というテレワーカーのニーズに、各社はどう応えようとしているのか。
2021年1月開催の技術見本市「CES 2021」で、HPとLenovo、Dellはいずれも「自宅で専用の仕事場がない人が、部屋から部屋へ素早く移動するのに役立つデザイン」とうたうノートPCを発表した。これらのノートPCは、タブレットとしても使える2-in-1デバイスのスタイルを採用するなど、別の場所に移動しなければならなくなっても迅速に仕事を再開できるようにしている。イベントでHP幹部は「テレワーカーは、仕事が中断された後で集中を取り戻すのに時間がかかる」と説明。ノートPCからタブレットに素早く切り替えることができれば「生産性が向上する」と主張した。
イベント期間中にHPとLenovo、Dellが発表した代表的なテレワーク向けノートPCは以下の通りだ。これらのノートPCの特徴を整理した上で、アナリストの見解を交えながら、テレワークに適したノートPCの在り方を探る。
HP Elite Folio:自律型メディアプレーヤーにもなるキーボード一体型2-in-1
HPは、Armアーキテクチャのプロセッサを搭載した「HP Elite Folio」(写真1)でこの問題に取り組んだ。このノートPCは13.5型ディスプレイを搭載し、キーボード奥とディスプレイの背面中央にヒンジが設けられている。ディスプレイを手前に完全に引き出して折りたたむとタブレットになり、キーボードとトラックパッドの間まで引き出すと、自立型のメディアプレーヤーとして使える。HPによると、バッテリー駆動時間は最大24.5時間、重さは2.85ポンド(約1.3キロ)からで、オプションで5G(第5世代移動通信システム)の通信モジュールを追加できる。発売日と価格はまだ発表されていない。
ThinkPad X12 Detachable:キーボードを着脱可能な「Surface」スタイルの2-in-1
Lenovoは「ThinkPad X12 Detachable」(写真2)を発表した。12.3型の着脱可能なディスプレイを搭載し、オプションでスタイラスペンも利用できる。Microsoftの「Surface」シリーズと同様だ。重さは約1.1キロで、500万ピクセルのフロントカメラを備える。同社がBusiness Applications Performance(BAPCo)のベンチマークテストツール「MobileMark 2018」で測定したバッテリー駆動時間は最大10.36時間だ。ThinkPad X12 Detachableは2021年1月発売で、同社が公式オンラインストアで販売する直販モデルの価格は1789ドルから(国内版の直販モデルは税込み22万9900円から)。
ThinkPad X12 Detachableは、実験的なデザインを採用したLenovoノートPCの最新製品だ。同社が2020年秋に販売した「ThinkPad X1 Fold」は、折りたためる有機ELディスプレイ(OLED)を搭載し、ディスプレイをフルフラットに開くとタブレットのように見え、折り曲げた状態では小型のノートPCに似ている。公式オンラインストアでの直販モデル価格は2499ドルから(国内版の直販モデルは税込み39万9300円から)だ。
Lenovoのバイスプレジデントを務めるジェリー・パラダイス氏はイベントで、同社は現在のテレワークの状況や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を経て一般化しそうなハイブリッドな仕事環境を考慮して、デバイスをデザインしていると説明した。「顧客は自宅内の部屋から部屋へ、そして自宅とオフィスの間で、極めてシームレスに移動する必要に迫られている」(パラダイス氏)
Latitude 7320:キーボード一体型と分離型の2モデルから選択可能
Dellが発表したノートPCの「Latitude 7320」は、ディスプレイ部分とキーボード部分が一体化したモデル(以下、一体型モデル)に加えて、ディスプレイ部分とキーボード部分が分離するデタッチャブルモデル(写真3)から選択できる。ただし原稿執筆時点では、同社は一体型モデルのみを販売している。Latitude 7320の一体型モデルは、プロセッサにIntelの「Intel Core」第11世代と13.3型ディスプレイを搭載し、重さは約2.5ポンド(約1.1キロ)。
他の種類のデバイスの代わりにもなるノートPCを持つことは「テレワーカーにとって有益だ」と、米TechTarget傘下の調査会社Enterprise Strategy Groupのアナリスト、マーク・バウカー氏は指摘する。「柔軟に仕事をこなせるように、柔軟に使えるデバイスを持つことが重要になっている」(バウカー氏)
パンデミック下でテレワークを強いられた人にとって、PCはスマートフォンと並んで必須の技術となった。調査会社Gartnerによると、2020年のPC市場は前年比で4.8%拡大した。これは2010年以来で最高の成長率だ。「2020年より前は、消費者の間で『スマートフォンファースト』の考え方が強まっていた。パンデミックがこの流れを覆した」とGartnerは声明で述べている。
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