NASからSANへ乗り換えるべき7つの兆候【後編】
“脱NAS”とSAN導入を中堅・中小企業が考えたくなるタイミングとは?
現在利用中のシステムに「NAS」の性能が追い付かなくなってきたら、「SAN」への移行を検討するきっかけになる。中堅・中小企業がNASからSANへの移行を考える最適なタイミングを考察する。
「SAN」(ストレージエリアネットワーク)の価格低下に伴い、今やSANは中堅・中小企業にとっても手が届きやすい存在になった。中堅・中小企業が「NAS」(ネットワーク接続ストレージ)からSANへの移行に踏み切るタイミングを見計らうためには、ストレージシステムが示す「7つの兆候」に注目するとよい。中編「『NAS』をやめて『SAN』に移る目安とは? 可用性、信頼性、データ保護の問題」に続き、後編となる本稿は5~7つ目の兆候を解説する。
- NASでは必要な性能が得られなくなった
- さらなる拡張性が必要になった
- 可用性と信頼性を揺るがす問題が頻発している
- NASがデータ保護の要件を満たさなくなった
- NASがアプリケーションのニーズを満たさなくなった
- 仮想化技術の導入でインフラの運用や処理負荷が高まった
- リソースの集約と有効活用のニーズが高まった
兆候5.NASがアプリケーションのニーズを満たさなくなった
現在利用中のNASが自社のリソース利用状況に対処し切れず、アプリケーションの処理を支え切れなくなることがあり得る。例えばNASで小規模なデータベース管理システム(DBMS)を運用していた企業が、ユーザー数やデータ量の増加、より高負荷なアプリケーションの採用といった事態に直面するケースだ。このように業務が変化すると、既存のストレージシステムでは需要に追い付くことが難しくなる。
一般的にNASはファイル単位、SANはブロック単位でデータを管理する。主要なDBMSは適切に動作するために、ブロック単位でのアクセスが可能なストレージシステムを必要とする。ミッションクリティカルなシステムは、NASよりもSANを利用した方が処理速度や可用性を高めたり、データ保護を強化したりしやすい。例えばメールサーバやCRM(顧客関係管理)システム、大容量ファイルを扱うビデオの共同編集作業といった処理に関しては、SANの方が有利になる。
兆候6.仮想化技術の導入でインフラの運用や処理負荷が高まった
特にハイエンドNASは、サーバ仮想化やVDI(仮想デスクトップインフラ)といった仮想化技術との併用を想定した設計になっている。ただしインフラの仮想化を積極的に進めている中堅・中小企業の場合、SANを利用した方がインフラを効率的に運用しやすい。
サーバ仮想化であれVDIであれ、仮想化技術はサーバに大きな負荷をかける。例えばストレージインタフェースに「ファイバーチャネル」(FC)を採用したSANは、FCの利用に必要な処理をサーバCPUに代わって実行するデバイス「ホストバスアダプター」(HBA)により、仮想化技術運用時のサーバ負荷を抑えられる。
兆候7.リソースの集約と有効活用のニーズが高まった
ミドルレンジからハイエンドのNASには、管理者が複数台を集約して運用できる仕組みを持っているものがある。一方でローエンドまたはミドルレンジのNASの場合、集中管理しにくくデータのサイロ化が進みやすくなる。データ管理業務が煩雑化し、セキュリティやコンプライアンスの面でリスクが高まる。サイロ化したNASはリソース利用率の低下につながることも問題だ。
SANならば管理者がストレージシステムのプロビジョニング(配備)、制御、保護を一括して実行できる。これによりサイロ化の解消や管理性の向上、リソース利用率の向上が期待できる。サーバを配備する場所の自由度も高まる。
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