北國銀行における「Microsoft Azure」導入の事例やLIXILの「Google Cloud Platform」採用など、クラウドに関するニュースを6つ紹介する。
金融機関の勘定系システムなど、ビジネスの中核となるシステムをクラウドサービスに移行させる動きが国内で進みつつある。重要なシステムをクラウドサービスに移す理由とは何なのか。その効果とは。北國銀行やLIXILのクラウドサービス導入事例など、クラウドに関する主要なニュースを6つ紹介する。
同行は預金や融資、為替に利用する勘定系システムのインフラにMicrosoftのクラウドサービス群「Microsoft Azure」を採用し、2021年5月に本格稼働させた。勘定系システムには日本ユニシスの「BankVision」を採用した。セキュリティを重視する金融機関の導入実績や、データ活用サービスの豊富さからAzureを選定。Azureに勘定系システムを移行させることで、セキュリティを確保しつつ金融データの収集やシステム連携を容易にする。地域の事業者に向けて、収集したデータに基づいたコンサルティングの実施や業務のデジタル化の支援を実施するという。(発表:北國銀行、日本マイクロソフト、日本ユニシス<2021年5月6日>)
複数の国内建材・設備機器メーカーが合併して発足した同社は、グループ内でばらばらだった会計基準を統一すべく、メインフレームで稼働させてきた基幹システムの刷新を決断。SAPのERP(統合業務)パッケージ「SAP S/4HANA」を導入し、インフラとしてGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)を採用した。GCP選定の背景には、LIXILが以前からマーケティング部門でGCPのデータウェアハウス(DWH)サービス「BigQuery」を利用してきたことがある。GCPでS/4HANAを稼働させることで、生成される膨大なデータをBigQueryに取り込みやすくなると考えた。異なるゾーン(GCPのデータセンター)をまたいで同じサブネット(IPアドレスの範囲)を利用できる点や、ゾーン間の通信が速いため各ゾーンのデータベースを同期させやすい点も評価した。今後はBigQueryやGoogleのアプリケーション開発ツール「AppSheet」などを組み合わせ、全社を横断したデータ分析システム「LIXIL Data Platform」の構築を進める。(発表:LIXIL、グーグル・クラウド・ジャパン<2021年5月13日>)
システムの拡張性と耐障害性を高めるために、同校は教育や事務に利用する基幹システムを段階的にクラウドサービスへと移行させてきた。2021年4月に安威キャンパスにある仮想マシン群をホスティング型のプライベートクラウド(インフラ専有型クラウドインフラ)に移行。学生と教職員の計8000人が利用するシステムをクラウドサービスで動かす。ホスティング型プライベートクラウドの構築には、IBM Cloudが用意した専用物理サーバでVMware製品を稼働させるクラウドサービス「VMware on IBM Cloud」(IBM Cloud for VMware Solutions)を利用する。同大学はシステムのクラウドサービス移行により、オンライン講義に必要なインフラの調達を迅速に実現できたという。キャンパス間の相互接続をするために利用しているオンプレミスのIBM製アプライアンス群は維持し、オンプレミスインフラの自由度を保ったハイブリッドクラウドを構築した。(発表:追手門学院大学、日本IBM、エルテックス<2021年5月31日>)
電気機器メーカーの同社は、同社グループ内外の企業に向けて、VR(仮想現実)映像を用いた教育サービス「VR安全体感教育」を提供している。工場や建設現場における労働災害の防止が目的だ。VR安全体感教育におけるVR映像の配信インフラとして、日本オラクルの「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を採用した。VR安全体感教育の開発を担当した明電システムソリューションはOCI採用に当たり、データベースの暗号化機能といった標準セキュリティ機能の充実度や、アウトバウンド転送(OCI外部へのデータ転送)のコストが低く、利用料金の予測がしやすい点を評価した。(発表:日本オラクル<2021年5月20日>)
医薬品の製造販売を手掛ける同社は、旧親会社であるLupinがインドで稼働させている基幹システムを利用していた。同社は2019年に独立企業になることに伴い、基幹システムの移行を決定。S/4HANAを導入し、インフラには「Amazon Web Services」(AWS)を採用した。インフラの99.99%の可用性と、DR(ディザスタリカバリー)に役立つサービスや機能の充実度を評価して、AWSを選んだ。新システムにより大量データの高速処理が可能となり、受注と出荷、請求のデータ処理を迅速化した。(発表:日立ソリューションズ<2021年5月11日>)
「仮想マシン移行ソリューション」は、ユーザー企業がオンプレミスのデータセンターで稼働させている仮想マシンの、クラウドサービス移行を支援するサービス群だ。ユーザー企業が運用するシステムの要件に基づいて仮想マシンの移行方法を提案する「移行環境設計支援サービス」、移行先のクラウドインフラの構築と設計を支援する「構築作業支援サービス」、仮想マシンの移行に必要な操作を実施する「移行作業支援サービス」で構成される。仮想マシンの移行作業には、データ保護ベンダーVeeam Softwareのバックアップ製品/サービスを利用する。(発表:日立製作所<2021年5月31日>)
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契約業務の効率化やコストの削減といった効果が期待できることから、多くの企業で「電子署名」の導入が進んでいる。一方で、訴訟問題へと発展した際に証拠として使えるのかといった疑問を抱き、導入を踏みとどまるケースもあるようだ。
半導体ベンダーBroadcomは仮想化ベンダーVMwareを買収してから、VMware製品の永久ライセンスを廃止した。その永久ライセンスを継続する非公認の方法とは。
システム基盤をオンプレミスで運用するか、データセンターやクラウドで運用するかは、業種によって大きく異なる。調査結果を基に、活用の実態を探るとともに、最適なクラウドサービスを考察する。
SaaSサービスが普及する一方、製品の多様化に伴い、さまざまな課題が発生している。特にベンダー側では、「商談につながるリードを獲得できない」という悩みを抱える企業が多いようだ。調査結果を基に、その実態と解決策を探る。
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