「デジタルバッジ」基本の基【中編】
「デジタルバッジ」の正しい使い方 「スキルギャップ」解消にも効果?
労働者がどのようなスキルを持つかを視覚的に示す「デジタルバッジ」は、人材採用に役立つ可能性がある。企業はどのように使えばよいのか。幾つかの例を紹介する。
前編「最近見掛ける『デジタルバッジ』とは何か? メリットとデメリットは?」は、資格情報をデータ化、視覚化した「デジタルバッジ」がもたらすメリットとデメリットを紹介した。中編は、企業におけるデジタルバッジの活用例を紹介する。
デジタルバッジを「スキルギャップ」解消に生かす方法
企業は、特に社外からの応募者を採用する際に、さまざまな方法でデジタルバッジを利用できる。デジタルバッジは、必要なスキルを持つ従業員が不足する「スキルギャップ」を解決に導く助けになる可能性がある。「採用を検討している人事部門は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で検索すればデジタルバッジを保有する人材を見つけることができる」と、情報セキュリティ専門家団体ISACA(Information Systems Audit and Control Association)で最高製品責任者(CPO)を務めるネイデル・カイマリ氏は話す。
例えば人事部門がビジネス向けSNS「LinkedIn」で特定のスキルを有する候補者を探す場合、プロフィールにデジタルバッジが含まれていれば、従来の採用の型にはまらない候補者を見つけやすくなる。候補者は、大学の学位がなくても、学位と同等レベルの資格や能力を備えている可能性がある。
企業は、候補者を選抜する際にデューデリジェンス(適正評価)をする必要がある。「候補者がデジタルバッジを保持していれば、デューデリジェンスの手順を一部省略できる」とカイマリ氏は話す。
IBM、ISACA、CompTIAも「デジタルバッジ」を活用
社内外の労働者に対し、デジタルバッジを提供する企業がIBMだ。同社はデジタルバッジを使って、自社従業員の業績や研修への参加を認定している。同社は、2015年に始めたデジタルバッジの付与数が2020年8月には300万個に達したと発表した。同社で研修とスキルプログラムの戦略的成長イニシアチブのシニアエクゼクティブを務めるデイビッド・リーサー氏の推測では、同社は従業員と社外の労働者に半数ずつデジタルバッジを付与した。
デジタルバッジは、特定の可能性を秘めた従業員に力を与える。サービス産業の労働者、または大学で学位を取る以外の方法でスキルを学んできた労働者は、デジタルバッジの恩恵を受けているとリーサー氏は話す。「伝統的な教育システムは現在の労働力の需要と、急速な環境変化の速度には追随できない。新しいスキルを認識するための別の方法が必要だ」(同氏)
ISACAもデジタルバッジの付与を始めた。「デジタルバッジは、誰が資格を保有するかを知らせ、その資格の管理者を証明する」と、同団体で最高製品責任者(CPO)を務めるネイデル・カイマリ氏は話す。
IT業界団体CompTIA(Computing Technology Industry Association)は、IT関連認定資格でのデジタルバッジ付与を進めている。「デジタルバッジによって、人々は認定資格を得ていることを簡単に雇用主に示すことができる」と、CompTIAのテクノロジーエバンジェリストを務めるジェームス・スタンガー氏は話す。
後編は調査結果を基に、デジタルバッジの市場動向を解説する。
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