テレワークはもはや“普通の働き方”になりつつある。一方で企業の意思決定層は、テレワークを必ずしも快く思っていない可能性があるという。何を懸念しているのか。調査結果から探る。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)への対策として、企業のテレワーク導入は急速に進んだ。だがリコーの欧州関連会社Ricoh Europeが2021年8月に発表した調査結果によると、欧州企業の意思決定者は必ずしもテレワークを歓迎しているわけではないことが明らかになった。
Ricoh Europeは欧州全土で1500人の意思決定者を対象に調査を実施した。調査対象者の内、テレワーク中の従業員を全面的に信頼していると答えた回答者は3分の1程度(35%)にとどまった。オフィスにいるときと比べて、テレワーク中の従業員は熱心に働いていなかったり、効率的な働き方ができていなかったりするとの回答は39%に上った。
こうした企業からテレワーク中の従業員への信頼感の低さを考えると、欧州全土でCOVID-19規制が緩和された際に、企業は従業員の勤務形態をハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークの組み合わせ)ではなくフルタイムのオフィスワークにしたいと考えるだろうとRicoh Europeは予測する。
テレワークに切り替えて以来、生産性が低下したとの回答は19%のみだった。調査対象者の57%は、人材を引き付け、企業につなぎ留めるためには、勤務場所を選ばない働き方を実現するための技術への投資が欠かせないと答えた。
後編は、ハイブリッドワークを取り入れ、従業員の士気を高める方法を紹介する。
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