「コンフォートイン」運営の大手ホテル会社が、テレワークのために入れたITとはパンデミックを乗り切るホテルチェーンのクラウド活用法【前編】

ホテルフランチャイズを営むChoice Hotelsは、新型コロナのパンデミックを機に従業員のテレワーク体制を整備した。同社がテレワークのために導入したIT製品/サービスとは。

2021年10月06日 05時00分 公開
[Johnny YuTechTarget]

 新型コロナウイルス(COVID-19)拡大防止を目的とした旅行の制限と検疫措置の実施により、ホテル業界は打撃を受けている。ホテルフランチャイズ事業を営み、1300人の従業員を擁するChoice Hotels Internationalは、クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)で宿泊客チェックインシステムを構築している。フランチャイズホテル同士の情報共有や関係性の構築にもクラウドサービスを役立てている。

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 Choice Hotelsは「Comfort Inn」(コンフォートイン)「WoodSpring Suites」「Cambria Hotels」などのブランド名で営業するフランチャイズホテルやモーテルで構成されている。同社でエンジニアリング部門のバイスプレジデントを務めるジェイソン・シンプソン氏は、2021年5月開催のRubrik主催オンラインイベント「FORWARD 2021」で次のように話した。「パンデミックの初期に、各フランチャイズホテルは隔離中のCOVID-19感染者を受け入れた。それでも客室稼働率は落ち込んでいる」

 「COVID-19の拡大が始まった当初は、従業員がオフィスに出社しないで働けるようにすることが重要だった」とシンプソン氏は話す。同氏は業務システムにアクセスできるようにするVPN(バーチャルプライベートネットワーク)や信頼できるリモートコミュニケーションの手段、Web会議システムがすぐに必要になると考えたという。即座にセキュリティベンダーのPalo Alto Networksを通じてクラウドVPN(VPNのクラウドサービス)を構築し、Zoom Video Communicationsの「Zoom」とMicrosoftの「Microsoft Teams」といったコラボレーションアプリケーションも導入した。

 Choice Hotelsの従業員によるコミュニケーション用アプリケーションの導入は「円滑に進んだ」とシンプソン氏は補足する。同社の従業員はテレワークに慣れていなかったため、多少のトラブルがあると同氏は予想していた。ZoomもMicrosoft Teamsも習得がそれほど難しくなく、ユーザーフレンドリーなユーザーインタフェース(UI)を備えていたため、問題なく受け入れが進んだ。


 後編はChoice HotelsがAWSで構築した旅行予約システム「choiceEDGE」と、同社のクラウドサービス移行の取り組みを詳しく説明する。

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