電子黒板(IWB)が「今後売れる」と専門家が断言する理由会議室を刷新するホワイトボードアプリ【第3回】

これまで普及していなかった「電子黒板」(IWB)の需要が、今後高まると専門家はみる。リモート参加者と会議室からの参加者が混在する「ハイブリッド会議」の実現にも役立つIWBは、どのような期待を集めているのか。

2021年11月08日 08時00分 公開
[Luke O'NeillTechTarget]

 第2回「『オフィス内の会議室』こそ“テレワーカー視点”で見直すべき理由」に続く第3回となる本稿は、リモートの参加者と会議室からの参加者が混在する「ハイブリッド会議」を前提にした、会議室に必要な設備投資を考察する。

 企業は今後、ハイブリッド会議を余儀なくされる可能性がある。ただしオフィスの会議室にハイブリッド会議を想定した設備が整っていないと、会議室からの参加者は議論に加わりにくくなる。

 この問題を解決する明確な答えは「会議室用のハードウェアを導入することだ」と、調査会社Metrigyのプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めるアーウィン・レザー氏は説明する。調査会社Let's Do Videoの創業者でCEOのデビッド・マルドウ氏も同じ意見だ。

電子黒板(IWB)の需要は、なぜ「今後高まる」のか

 ハイブリッド会議の場でホワイトボードを使った共同作業を実現する手段として、大型のタッチディスプレイを会議室に設置することが挙げられる。ビジネス用途では「インタラクティブホワイトボード」(IWB)、教育用途では「電子黒板」と呼ばれる大型デバイスだ。これを使えば会議室にいる参加者は簡単に仮想的なホワイトボードに書き込むことができ、リモート参加者と対等に会議に参加できる。

 Metrigyの調査によると、現時点ではIWBの導入はそれほど進んでいない。「企業がコラボレーション用の設備のアップグレードを検討し始めた今、IWBなどの会議室向けハードウェアの需要は高まってくる」とレザー氏は予想している。

 ハードウェアの導入には「費用対効果の問題がある」とレザー氏は指摘する。IWBは、ホワイトボードと遠隔会議用ディスプレイの両方の用途をカバーする点において費用対効果が期待できるという。

 IWBの代表的な製品としては、Cisco Systemsの「Cisco Webex Board」、Googleの「Jamboard」、Microsoftの「Surface Hub 2S」などがある。仮想的なホワイトボードを実現する「ホワイトボードアプリケーション」の代表例は、Lucid Softwareの「Lucidspark」、RealtimeBoardの「Miro」などだ。主要なIWBはホワイトボードソフトウェアを標準搭載しており、他のシステムと連携できる。

 会議室には複数のWebカメラも必要だ。そうすればリモートの参加者だけでなく会議室にいる参加者も、遠隔会議の画面内それぞれの枠に表示できる。ただし会議室の参加者は決まった場所に座っていなければならないという難点がある。


 第4回は、ハドルルーム(少人数向け会議室)をハイブリッド会議用の会議室に変えるためのヒントや、Zoom Video CommunicationsやMicrosoftがハイブリッド会議の実現に向けてどのような製品をアピールしているかを説明する。

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