組織力の強化にかかわるソフトスキルの意義を理解できず、ソフトスキルが低いままのリーダーがいる組織も残念ながら存在する。専門家は、こうしたリーダーが導く組織の未来を憂慮する。その理由は。
自動化技術が普及する中で、人にしかできないスキルがますます重要になると考えられる。書籍『Hyper-Learning: How to Adapt to the Speed of Change』の著者で、University of Virginia Darden School of Businessの経営学教授であるエドワード・D・ヘス氏は、ソフトスキル(共感力や謙虚さ、マインドフルネスなどの非定型スキル)に注目する。本連載は、過去2回にわたりソフトスキルが重要な理由(第1回「『ハイパーラーニング』とは? 自動化が進んでも生き残る方法」)と、ソフトスキルを伸ばすためにリーダーが支援できること(第2回「上司が部下の『ソフトスキル』を伸ばすには“あれ”を定義すべし」)を紹介してきた。第3回は、リーダーのソフトスキルが低い場合の改善策について、ヘス氏の見解を紹介する。
―― 近年、性被害を訴える社会活動「#MeToo」やダイバーシティー問題などにおいて、企業の最高幹部たちがソフトスキルの良い手本を示せていない例が幾つも見られています。リーダー自身が模範としてふさわしい人物でない場合、適切な行動を示してポジティブな影響を与える役割として振る舞ってもらうためには、どうすればよいのでしょうか。
ヘス氏 トップに立つ人はソフトスキルを重視した方がよいでしょう。リーダーは、従業員がソフトスキルを学ぶべき理由と、それが組織にとって最善となる理由について自分なりの考えを持つべきです。今後、企業の価値を際立たせるのは技術ではなく、人間でなければもたらせない付加価値です。
成人の学習と変化においては、エゴと恐怖が最大の障害になります。しかし、多くの経営者や上級幹部が学習や変化を求める理由もまたエゴと恐怖です。誰もが勝者になることを望んでいます。あるいは今持っている物を失ったり、手放したりすることを恐れています。経営者や上級幹部は、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らすよう取り組まなければなりません。詰まるところ、彼らが望ましいソフトスキルを重視し、自身が手本となる必要性を認めなければ、従業員のソフトスキルを伸ばす構想は決して成功しません。
デジタル時代に関する予測、つまり自動化技術をはじめとする技術が実現し得ることに対する予測が正しいとしたら、従業員のソフトスキルを伸ばさない企業が成功を収める可能性は低くなるでしょう。
第4回は、ソフトスキルを重視するリーダーとそうでないリーダーの違いを考察する。
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