技術系人材の需要に、供給が追い付かない――。そうした悩みに直面している企業は、旧来の人材像にとらわれてはいないだろうか。視野を広げれば、技術職を望む新たな人材候補が見えてくる。
STEM(科学、技術、工学、数学)分野で働く女性を増やすことを目的とした公益法人WISE Campaign(以下、WISE)が2021年9月に発表した調査レポート「Exploring Pathways into Tech Careers」によると、女性は男性よりも、新たに技術職に就くための再訓練・再教育「リスキリング」を受ける割合が高い。同レポートで調査対象となった女性の15%が、技術職のリスキリングを受けていた。男性は7%だった。このレポートは、WISEが2021年2月~8月に、IT関連職646人を対象に実施した調査に基づく。
調査対象となった女性全員が、コンピュータサイエンスといったコンピュータ関連の学位を取得していたわけではない。ただし約70%はSTEM領域の学位を取得していた。残りの回答者はSTEM関連の学位を全く持っていなかった。
WISEの最高経営責任者(CEO)であるケイ・フセイン氏は、今後人材の需要に対して「コンピュータ関連の学位を所有する人材が足りなくなることは明らかだ」と話す。フセイン氏は、従来採用してきた人材とは異なる背景を持つ求職者から、新たな才能を見いだす工夫が必要だと主張する。「女性やコンピュータ関連の学位がない人材がもたらす発想の多様性は、学位そのものよりも重要だ」(同氏)
資格だけでなく「職務に求められるスキルセットを重視することが重要だ」と、フセイン氏は雇用主に対してアドバイスする。そうすれば採用できる人材の幅を広げやすくなる。回答者のうち、コンピュータ関連の学位を持っていたのは28%だった。
より技術的な知識が必要な職務に就くためのスキルを習得する方法については、習得に必要な講座を受けたことがある人の60%が定時制講座を利用していた。女性の方が男性よりも定時制の講座を受けるが割合が高く、女性は33%が、男性は22%が定時制講座を受けていた。
全回答者の46%は、現在の職務に就くために資格を取った。そのうち74%は、既存スキルを向上させる「アップスキリング」、26%は現在の職務に就くためのリスキリングを資格取得の目的にしていた。男女別に見ると、女性回答者の35%、男性回答者の43%が新たな職務に就くためにアップスキリングに取り組んだと回答した。
後編は、企業が技術者をどのように引き付ければよいかを紹介する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業にとっては、いかに優秀な人材を確保するかが大きな課題となっている。そこで、AIとスキルインテリジェンスを活用することで従業員満足度を高め、定着率の向上、ビジネスの成長へとつなげていくための3つのステップを紹介する。
従業員にさまざまなサービスを提供するHR業務に、生成AIを導入する動きが加速している。生成AIは、HR業務が抱えている課題をどのように解決し、従業員エクスペリエンス(EX)の品質向上と組織全体の生産性向上に貢献するのだろうか。
紙やExcelを用いた人事評価業務では、進捗管理やデータ集計に多大な労力がかかってしまう。そこで本資料では、評価ツールを導入することで、評価に関わるさまざまな作業を効率化することに成功した事例を紹介する。
2019年4月から時間外労働の上限規制が労働基準法に規定され、特別条項付きの36協定を締結した場合でも厳守しなければならない、時間外労働の限度が定められた。本資料では、36協定における基礎知識から締結時の注意点まで詳しく解説する。
人手不足が深刻化する近年、新規採用や従業員教育にコストをかける企業が増えているが、その分離職時のダメージも大きく、事業継続に影響が出るリスクもある。そこで、主な離職要因となる6つの問題について、その原因や解決策を解説する。
ERPからあぶれたスキマ作業をどうする? RPAやBIでは解決できない理由 (2025/4/4)
マンガで解説:紙と「Excel」の販売管理から卒業したい 実現しやすい方法は? (2025/4/2)
制度変更で取引先が数千件増える? 3カ月でシステム構築できた事例 (2025/3/25)
人事管理システムの選び方 失敗しないポイントは? (2024/9/18)
人材開発って何? 人材育成との違いは? 効果的な方法を知る (2024/9/18)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。