「.NET Core」が「マイクロサービス」アプリケーションの開発に役立つ理由「.NET Framework」からの脱却は実現するか【中編】

「.NET Core」は、「.NET Framework」の後継としてMicrosoftが公開したアプリケーション開発・実行環境だ。.NET Coreがアプリケーション開発においてどのような場面で有用なのかを解説する。

2022年03月02日 08時15分 公開
[Kerry DoyleTechTarget]

 Microsoftは、同社が提供するアプリケーション開発・実行環境「.NET Framework」の後継として「.NET Core」を提供済みだ。にもかかわらず、企業は依然として.NET Frameworkを使い続けている。

 .NET Frameworkの誕生から時がたち、レガシーアプリケーションの改修に追われる開発者は、あることを痛感するようになった。現代のアプリケーション開発に欠かせない動的なアプリケーション配備機能を実装できる手段の必要性だ。そうした手段としてMicrosoftが提供を始めたのが、.NET Coreだった。

マイクロサービスアプリケーション開発に「.NET Core」が役立つ理由

 開発者は.NET Coreを使うことでクロスプラットフォーム(OS非依存)のアプリケーション開発が可能だ。.NET Coreで開発したアプリケーションは、「Windows」だけでなく「Linux」や「macOS」でも動作する。アプリケーションを機能などの細かい単位で切り分ける「マイクロサービスアーキテクチャ」を適用したアプリケーション(マイクロサービスアプリケーション)も実装できる。マイクロサービスアプリケーションの実装に役立つ、コンテナでの運用を前提にしたアプリケーションの開発も可能だ。

 NET Coreには、開発したアプリケーションをさまざまなシステムに一様に配備できる仕組みがある。この仕組みは、開発したアプリケーションをWindows、Linux、macOSといった複数のOSで稼働させる必要がある場合に有効活用できる。

 マイクロサービスアプリケーションの開発にコンテナを使用する場合、.NET Coreを使うことでアプリケーションの配備、デバッグ、更新、管理の簡略化につながる。クロスプラットフォームのアプリケーション開発として、アプリケーションをオンプレミスインフラで稼働するLinuxやWindowsマシン内の「Docker」コンテナに配置したり、「Azure Kubernetes Service」といったコンテナのクラウドサービスに配置したりすることが可能になる。Dockerはコンテナ管理ソフトウェア。Azure Kubernetes Serviceは、コンテナの運用管理を自動化するコンテナオーケストレーター「Kubernetes」のクラウドサービスだ。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...