「5G」(第5世代移動通信システム)のデータ伝送速度を向上させる――。その実現に向けて、Samsung Electronicsは半導体大手Qualcommの子会社であるQualcomm Technologies、ネットワークベンダーEricssonなどのパートナーと組み、実験を重ねている。
Samsung Electronicsは実験で、搬送波に電気信号を合成する変調方式として、振幅の違いを16段階で識別する「256QAM」(256 Quadrature Amplitude Modulation)を使用。振幅の違いを8段階で識別する「64QAM」と比べ、ダウンロード速度を高速化させたという。実験に使ったスマートフォンは、Qualcomm Technologiesの5Gモデム「Snapdragon X65 5G Modem-RF System」を搭載していた。
実験の成果を踏まえ、Samsung Electronicsは「5Gの進化が一般消費者と企業の両方にメリットをもたらす」とアピールし、商用化に取り組む方針だ。同社は製造業や運輸業に加え、公共分野でも5Gの活用シーンが広がると捉えている。最近では米国防総省(DoD)と組んで、軍人の訓練に拡張現実(AR)技術を取り入れるために、5Gのテスト環境を構築した。
他にもSamsung Electronicsは、韓国ソウル地下鉄で乗客がデジタルコンテンツをダウンロードしやすくするために、5Gのデータ伝送速度の高速化を推進している。2021年9月に発表した実験では、走行中の地下鉄車内で無線LAN接続のバックホール(電波を送受信する基地局と基幹通信網を接続するネットワーク)として5Gが利用可能なことを実証したという。
Samsung Electronics Americaのテクノロジー・ネットワークビジネス担当ディレクター、ファルック・ハッサン氏は「5Gによって、モバイル通信事業者や企業がAR技術活用や大量データ分析といったことに取り組みやすくなるように支援したい」と述べる。
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