Meta Platformsが開発したスーパーコンピュータ「AI Research SuperCluster」(RSC)は、幾つかの問題を抱えていると専門家が指摘する。主な問題は「環境問題」と「倫理問題」だ。
「AI Research SuperCluster」(RSC)は、Meta Platforms(旧Facebook)が機械学習モデル構築を目的に開発した、人工知能(AI)システム向けスーパーコンピュータだ。「Metaが1000億ドルを上回る売上高を得るためにはRSCが欠かせない」と、調査会社Constellation ResearchのアナリストであるR・レイ・ワン氏は語る。
「現在Metaが採用している機械学習モデルは、同社のメタバース(巨大仮想空間)に関する将来の目標とビジネスには十分だとは言い難い」とワン氏はみる。同氏の見解では、Metaがより大規模な機械学習モデルを構築するのにRSCが役立つ。
RSCは6000基以上のGPU(画像処理装置)を内包する。調査会社Technology Business Researchでアナリストを務めるエズラ・ゴットヘイル氏は、RSCの課題として冷却を挙げる。「これほど多くのGPUが稼働し続けることを考えると、RSCでは膨大な熱量が発生することが容易に想像できる」(ゴットヘイル氏)からだ。
人工知能(AI)技術や暗号資産(仮想通貨)などが使うHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムは、エネルギーの消費量が多くなりがちだ。そのため環境問題の観点で批判を受けている。MetaはRSCを含む設備の設計や構築、資源の利用、機器の廃棄に関して「サステナビリティ(持続可能性)の確保に全力を挙げて取り組んでいる」と主張する。
Metaは「RSCが利用するデータの安全を確保する」と言う。それを満たしつつ、同社は
といった問題に対処しなければならない。同社のAI技術が満たすべき要素について、ワン氏は
などを期待する。
調査会社Opus Researchでアナリストを務めるダン・ミラー氏は、MetaがRSCを発表したブログのエントリ(記事)に、倫理に関する記載が見当たらないと指摘する。「機能のベースとなる機械学習モデルに、偏った教師データによるバイアス(偏見、差別)が生じないように投資すべきだ」とミラー氏は言う。
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