Web会議の快適性を左右するのは映像の見やすさだけではない。音声の聞き取りやすさも重要だ。IT部門が「Web会議の音声品質」を改善する上で、知っておくべきトレンドを探る。
第2回「『使い方が分からないWeb会議用機器』が会議室に現れたら危険信号」に続き、第3回となる本稿も、2022年3月に開催したコミュニケーションツール関連イベント「Enterprise Connect」の講演内容を基に、Web会議用機器の運用管理のポイントを解説する。オフィスワーカーとテレワーカーの両方が平等な条件でWeb会議をするためには、「Web会議での音声」を聞き取りやすくする必要がある。このニーズを踏まえて関連ベンダーは、どのような技術を提供しているのか。
テレワーカーとオフィスワーカーが混在するWeb会議に、両者が公平な条件で参加するには、当然ながら映像技術は主要な鍵を握る。コンテンツを共有し、チームメンバーの顔を見るためには映像技術が重要だ。
音声技術も依然として重要な役割を担っている。音声の遅延が発生すると、そもそも会議に付いていくのが難しくなる。「Web会議で画面の個々の枠に全員が1人ずつ映るようにする技術と同じくらい、音声は重要だ」と、Plantronics(Polyの名称で事業展開)でシニアバイスプレジデント兼ビデオコラボレーション担当ゼネラルマネジャーを務めるボー・ワイルダー氏は強調する。
企業は、高い音声品質とノイズ除去を実現できるWeb会議用機器を探す必要がある。例えばPlantronicsは、Web会議の音声品質を向上させる機能を提供している。「NoiseBlockAI」は、マイク周囲の邪魔なノイズ(キーボードのタイピング音や紙をめくる音など)を軽減する。「Acoustic Fence」は、エコーキャンセル技術によって仮想的な境界を作り、境界外からの背景ノイズを遮断する。ワイルダー氏は「これらの機能は、コワーキングスペースのように広々とした場所でWeb会議をする際に役立つ」と説明する。
第4回は、オフィスワーカーとテレワーカーが混在するWeb会議を快適に進めるための主要製品を解説する。
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