「テレワークは危ない」と考える人が恐れている“あのセキュリティ問題”とは?テレワークを危険にする「PC放置」問題の対処法【後編】

MicrosoftやGoogleは自社のオフィススイートに、テレワーク時の情報漏えいリスクを減らす機能を提供している。こうした機能が熱望される背景にある変化とは。

2022年08月02日 08時15分 公開
[Mike GleasonTechTarget]

 テレワークがもたらすリスクは、IT担当者の懸念事項だ。ITメディア企業IDG Communications(Foundry)が2022年6月に公開した調査データによると、IT製品導入に関わる意思決定者(有効回答数:401人)の63%が、テレワーク向けの新しいセキュリティ製品の導入に取り組んでいる。

「危険なテレワーク」はPCの“あの使い方”が招く?

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 従業員はテレワーク時に、私物のノートPCや公共施設のPC、インターネットカフェのPCなどで、Webアプリケーションを使ってメールチェックやドキュメントの編集をすることがある。従業員がWebアプリケーションから適切にログアウトしなければ、機密データが漏えいする恐れがある。

 企業のセキュリティ担当者は多要素認証(MFA)やEDR(エンドポイント脅威検出・対処)に関心を寄せている。サブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」のIT管理者向け機能「アイドルセッションタイムアウト」は「こうした取り組みを補完する」と、ITコンサルティング会社451 Researchのアナリスト、ラウル・カスタノン氏は説明する。この機能は、Microsoft 365のWebアプリケーションのアイドル(無操作)状態が一定時間続いたエンドユーザーを、Microsoft 365からサインアウト(ログアウト)させる。

 オフィススペースの使い方の自由度を高める選択肢の一つは、従業員が固定席を持たず、共有デスク(ホットデスク)で仕事をする「ホットデスキング」(フリーアドレス)の手法を採用することだ。その場合、従業員がホットデスクで共有デバイスからログアウトするのを忘れると、機密情報が流出する危険がある。

 Googleはオフィススイート「Google Workspace」について、「Gmail」をはじめとする各種アプリケーションへのログイン状態を継続できる時間を、ユーザー企業のIT管理者が設定できるようにしている。設定時間が経過すると、従業員はアプリケーションを利用中でも、Google Workspaceにログインし直す必要がある。

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