英国北東部のタイン港は港内に「プライベート5G」を導入し、最先端技術を組み合わせて革新的な取り組みを進める。プライベート5Gをどう活用するのか。
英国の通信大手BTは2022年6月、英国北東部のタイン港(Port of Tyne)に、「5G」(第5世代移動通信システム)をプライベートネットワークとして使う「プライベート5G」を提供すると発表した。BTはスウェーデンの通信機器ベンダーTelefonaktiebolaget LM Ericsson(Ericsson)の協力を受けてこの取り組みを進める。
タイン港はプライベート5Gを活用し、港における革新的な新サービスやビジネス向けの新たな用途を実現できると見込む。例えば人工知能(AI)技術を使ったアプリケーションや自動運転などだ。その具体的な取り組みとは。
BTの法人および公共部門担当マネージングディレクターを務めるアシシュ・グプタ氏は次のように語る。「Ericssonの協力を得て設置したネットワークを活用することで、港における運営業務の自動化や効率化など、変革のインフラを作れる」。広い帯域幅(通信路容量)かつ低遅延のネットワークを活用すれば、監視カメラや高度なデータ分析、AI技術などを用いて、コンテナの損傷を検査することが可能になるとグプタ氏は見込む。
タイン港の技術チームは、プライベート5Gの本格稼働に向けた検証を実施している。その中でも同港は、以下の取り組みを優先的に進める。狙いは荷主企業や物流企業など、同港のサプライチェーンにおける顧客の業務効率向上にある。
タイン港は運営戦略「TYNE 2050」の一環として、二酸化炭素(CO2)を排出しにくいクリーンエネルギーを使用するテスト環境を作る。同港が拠点に選んだのは、200エーカー(約0.81平方キロ)の土地を有する同港内のクリーンエネルギーパークだ。ここでプライベート5Gの利用を希望する企業と協力して、英国の物流分野に利益をもたらす革新的なサービスの検証をする計画だ。
このクリーンエネルギーパークを活用する企業の一社が、エネルギー会社のEquinorだ。同社はドッガーバンク(北海中央部にある浅堆)に洋上風力発電所を建設し、タイン港を運用保守の拠点にする。
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