Cohesityの調査によると、およそ半数の企業がバックアップや復旧に古いシステムを利用していた。同社はこの状況に警鐘を鳴らしている。その理由とは。
バックアップツールベンダーCohesityの調査では、約半数の回答企業がデータのバックアップと復旧に、10年以上前に設計した古いシステムを使用していることが明らかになった。同社はこの状況に警鐘を鳴らしている。
調査は米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドの企業に勤務するITとセキュリティの意思決定者約2000人を対象としており、2022年4月にCohesityの委託先である調査会社Censuswideが実施した。
驚くことに、回答者の46%が「2010年以前に設計されたバックアップシステムと復旧システムを利用している」と答え、約5%が1990年代のシステムを利用し続けていた。
近年、複数のクラウドサービスを併用する「マルチクラウド」や、クラウドサービスとオンプレミスシステムを併用する「ハイブリッドクラウド」でシステムを運用する企業の動きが広がっている。データの保存先に関する回答割合は以下の通り。
バックアップや復旧に古いシステムを用いると、運用形態の多様化に伴う課題に対処できなかったり、クラウドサービスが提供するデータ保護の新機能を利用できなかったりする場合がある。年月の経過とともに構造化データと非構造化データの量が膨大になれば、古いシステムではそのデータの量やファイル形式に対処できない可能性もある。
古いバックアップシステムは、サイバー攻撃がもたらす脅威、特にランサムウェア(身代金要求型マルウェア)が関わる脅威に対処するように設計されていない。これは、攻撃への対処能力の低下につながる。調査では回答企業の60%近くが、自社のITチームとセキュリティチームが効果的に連携して攻撃に対処できるかどうかについて懸念を示している。
Cohesityでオーストラリアおよびニュージーランド担当マネージングディレクターを務めるマイケル・アルプ氏は、次のように警告する。「自社が、古いシステムを用いて重要なデータを管理している場合、ITチームやセキュリティチームは警鐘を鳴らすべきだ」
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「Windows 11」は従来の「Windows」と比較して、システム要件が厳しいとの声がある。具体的には何が違うのか。そもそもWindows 11への移行に意味はあるのか。
「Windows 10」のサポート終了が迫る中、移行に関する幾つかのハードルや誤解からまだ「Windows 11」に移行できていない組織がある。移行を円滑に進めるために押さえておくべき点とは。
マルチテナント型SaaSの開発・運用に当たっては、ID・アカウント管理を適切に設計・実装していくことが不可欠だ。その理由を確認しながら、ID・アカウント管理で求められる要件や構築のポイントを解説する。
データドリブン経営に不可欠なファイルストレージだが、近年はアクセス集中によるパフォーマンス低下、データ増による容量逼迫、データ保護体制の不備など、多くの課題が指摘されている。これらを一掃する、次世代のストレージとは?
リモートワークなどの働き方の変化は多様な影響をもたらしており、中でも注意が必要な領域がIT資産管理ツールだ。リモートワークの増加、デバイスの多様化などに対応し、情報漏えいを防ぐにはどのようなツールを選べばよいのか。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...