ソフトウェア開発者が自身にとって良いワークライフバランスを確保することは、燃え尽き症候群の防止につながる。専門家が提唱する燃え尽き症候群の対策とは。
ストレスにさいなまれたソフトウェア開発者は、燃え尽き症候群に陥ってしまうことがある。ソフトウェア開発者が燃え尽き症候群を未然に防ぐ方法を、複数の専門家に聞いた。
燃え尽き症候群を専門とする心理学者シャロン・グロスマン氏はワークライフバランスを整えることの重要性を強調する。良いワークライフバランスを得るための基本レベルの対策は、十分な休暇を取り、手に余らない程度の業務をこなすことだ。ヨガやマインドフルネストレーニング(自分の今の状態に集中して、あるがままの現状を受け入れるトレーニング)などをするのもよい。
ワークライフバランスは「自身の限界を伝える方法を学ぶことでもある」とグロスマン氏は語る。自分の行動に責任を持つのは自分自身だ。限界をどこに設けるのかは、自分の判断次第だと言える。
API(アプリケーションプログラミングインタフェース)管理ツールベンダーKongでエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるサージュ・ピライ氏によると、燃え尽き症候群への取り組みには「限界を定めること」が欠かせない。従業員個人の限界を定める際に大きな役割を果たすのが上司だ。上司は他の従業員にも割り振れる反復的な仕事を避け、従業員と一緒に個人の限界を定める必要がある。「どの業界でも、開発チームを強化して成功に導くためには、上司とチームが一丸となって燃え尽き症候群に対処と予防をしなければならない」とピライ氏は語る。
上司が従業員の自主性を育むことは、限界を定める上で大きな効果を持つとビライ氏は考える。例えばスプリント(小規模の開発を短期間で繰り返す開発手法)の開始に際して、ソフトウェア開発者の仕事を上司が割り当てるのではなく、開発者自身が具体的な仕事を選べるようにすることを同氏は提唱する。
燃え尽き症候群への対処は、セルフコンパッション(他者に向ける思いやりを自身に対しても持つこと)だとピライ氏は説く。「人は機械ではない。自らを犠牲にしなくても仕事はできる」(同氏)
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