AWSが年に一度のカンファレンスイベント「AWS re:Invent 2022」を米国で開催した。同イベントで提供された最新情報の中から、東京リージョンで利用可能となったサーバレス関連の新サービス2点についてまとめた。
Amazon Web Services(以下、AWS)は2022年11月28日〜12月2日に、年次イベント「AWS re:Invent 2022」を米国で開催した。同イベントでは、AWSの新サービスや機能更新など、複数の最新情報が発表された。その中から東京リージョンで利用可能となった、サーバレス関連の新機能を紹介する。
サーバレスコンピューティングサービス「AWS Lambda」は、メールの受信や画像の加工処理といった、手動や自動のデータ処理やリクエストをトリガーにして次の動作を自動で処理する。同サービスのサーバの運用をAWSが担うためユーザーはサーバを用意する必要はなく、AWS Lambdaで自分が開発したプログラムの動作確認や開発だけに集中できる。リクエストの回数や実行した時間に応じて料金がかかる従量課金制が採用されている。
AWS Lambdaではユーザーが動作させたい機能を意味する「関数」ごとにプログラムを管理し、機能の処理も関数単位で実行する。AWS LambdaがAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じて関数を実行するリクエストを受け取ると、AWS Lambdaは大きく以下4つのステップを経る。
AWS Lambdaは実行環境をキャッシュとして一定期間保持するため、同じ関数に対するリクエストが追加で来た場合に3の実行環境を再利用することで関数を迅速に実行する(ウォームスタート)。一方、1から起動すると関数の起動時間がかかりレイテンシ(実行時間全体の遅延)が発生する(コールドスタート)。今回AWSはre:Invent 2022で、AWS Lambdaのコールドスタートにかかる時間を削減する新機能として「Lambda SnapStart」を発表した。Lambda SnapStartは、関数インスタンス(関数を動作させるためのコードやコードを実行するためのランタイムなどの条件を1つにまとめたもの)を起動し、初期化が終わった状態をスナップショットとして保存することで1と2のステップを省略し、起動を高速化できる。
ローコード開発ツールである「AWS Application Composer」は、AWSが提供するさまざまなサービスがアイコンになっている。画面上でアイコンをドラッグアンドドロップすることでサービス同士を接続したりグループ化したりでき、サーバレスアプリケーションを視覚的に構築できる。従来、AWSのサーバレスアプリケーションを開発するにはまずはAWSのさまざまなサービスについて勉強する必要があった。AWS Application Composerは、サーバレスアプリケーションの開発を簡単にすることで、開発の未経験者を支援することを目的としている。
コードによるインフラの構成管理(Infrastructure as Code、IaC)で使用しているコードをAWS Application Composerにインポートした場合、AWS Application Composerがコードの内容に適したアイコンやアイコン同士のつながりを表示する。
AWS Application Composerはパブリックプレビュー版として東京リージョンで利用可能。AWSの管理コンソール「AWS Management Console」(AWSマネジメントコンソール)から使用できる。
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