Webブラウザによるメモリの使用量を抑えるには、Webブラウザがメモリをどのくらい使っているのかを具体的な数字で把握することが重要だ。測定の方法は。
企業の業務に欠かせないWebブラウザ。その使用によってメモリ容量が逼迫(ひっぱく)する場合があるので、業務に悪影響が出ないように注意する必要がある。まず重要なのは、メモリ使用量の測定だ。どうすればいいのか。
Webブラウザのメモリ使用量を測定するのは、簡単ではない。Webブラウザの複数のタブはそれぞれ個別のプロセス(プログラム)にひも付いており、プロセスごとにメモリ使用量が異なるからだ。Webブラウザはエンドユーザーが意識しない形で、動作に影響を与え得るデータ処理を実行する場合もある。Webブラウザのメモリ使用量を測定するには、全てのプロセスを一括して調べる必要がある。
MicrosoftのOS「Windows」でWebブラウザ全体のメモリ使用量を測定する方法の一つは、コマンド実行機能「Windows PowerShell」を使用することだ。Windows PowerShellでWebブラウザ「Microsoft Edge」のメモリ使用量を表示させるコマンドは下記の通り。
$A = Get-Process | Where-Object {$_.Name -eq 'msedge'} $B = $A.WS | Measure-Object -Sum $B.sum /1MB
1行目は「$A」という変数と、Microsoft Edgeを表す「msedge」の全ての実行中プロセスを関連付けている。このコマンドでMicrosoft Edge以外のWebブラウザのメモリ使用量を測定する場合は、msedgeの部分を別のWebブラウザのプロセス名に置き換えればよい。$Aが参照する個々のプロセスと、各プロセスのメモリ使用量を確認したい場合は、「$A | Select-Object Name, WS」を2行目に入力する。
2行目は「$B」という変数に、Webブラウザのメモリ使用量を代入している。$Bは、該当するプロセスのワーキングセット(プロセスが使用中の物理メモリ量)を指している。
次に、2行目の情報をパイプライン(|)でコマンドレット(Windows PowerShellで使えるコマンド)「Measure-Object」に渡し、パラメーター「Sum」を追加する。これにより、Microsoft Edgeの各プロセスが使用しているワーキングセットを合算することができ、開いている全てのタブでWebブラウザが使用しているメモリの合計が分かる。Webブラウザが現在使用しているプロセスの総数を知るには、$Bを入力するだけでよい。
3行目は、Webブラウザが使用しているワーキングセットの合計値をMB単位に変換して表示している。コマンドの「/1MB」の部分がない場合、ワーキングセットをKB単位で表示する。「/1GB」にすれば、GB単位で表示できる。
第3回は、Webブラウザによってメモリ使用量が異なることを実証するためのテストを紹介する。
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