DXの目標を設定するに当たって判断に迷うならば、まずは「顧客体験の向上」に注目するとよい。顧客向けWebサイトの“簡素化”など、具体的なDX目標の例を整理する。
「DX」(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みに着手するならば、まずは目標を明確にする必要がある。一般的なDX目標10個のうち、2個目から4個目を解説する。
顧客が自分の欲しい製品やサービスを見つけやすくするために、DXの一環として顧客向けWebサイトの簡素化を進めるのは、有力な考え方だ。例えばシステム管理者やマーケティング担当者が簡単にWebサイトを更新できる仕組みを用意したり、決済プロセスを単純化したりすることを検討する。購買体験がシンプルで便利になれば、カスタマーサポートデスクへの問い合わせ件数が減りやすくなり、総合的な顧客体験向上につながる。
カスタマーサービスのシステムが古くなっているのならば、DXに着手するきっかけとなり得る。カスタマーサービス担当者は、システムで顧客を簡単に見つけ、顧客との過去のやりとりを確認し、顧客からの新しいリクエストに迅速に対処できなければならない。新しいシステムを導入すれば問題解決の迅速化につながる。顧客が自ら問題を解決できるセルフサービス機能を付ければ、顧客体験を向上させることが可能だ。
買掛金処理などの購買プロセスの改善策としてまず挙げられるのは、手動プロセスの自動化だ。請求書を提出する手続きや、支払い状況の情報を受け取るプロセスも改善の余地がある。購買管理システムの使い勝手の良さや、他の財務システムとの連携性などに、改善の余地を見つけられる可能性がある。
第3回は、5個目から7個目のDX目標を取り上げる。
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