Citrix SystemsやVMwareが合併や買収の手続きを進める裏で、デスクトップ仮想化市場で独自の立ち位置を確立させたベンダーがある。それはきっと誰もが知る“あのベンダー”だ。
2022年は、データ分析ベンダーTIBCO Softwareと合併したCitrix Systemsと、半導体ベンダーBroadcomが買収するVMwareという主要な仮想化ベンダー2社が、デスクトップ仮想化市場に影響を与える再編を明らかにした。こうしたニュースは、デスクトップ仮想化のもう一つの大手ベンダーである“あのベンダー”にとって、有利に働く可能性がある。
Microsoftは2019年10月に、仮想デスクトップのクラウドサービスDaaS(Desktop as a Service)の「Azure Virtual Desktop」(AVD)を提供開始した。その数カ月後に発生したのか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)だ。先行き不透明な状況で、デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化は、テレワークの実現手段としての需要を高めた。
かつて企業向けデスクトップ仮想化をCitrixやVMwareなどのパートナーに任せていたMicrosoftは、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」をインフラにしたDaaSの提供に力を入れている。CitrixやVMwareが合併や買収の手続きに追われる最中に、Microsoftが自社のDaaSのシェアを拡大させる可能性がある。
CitrixやVMwareはそれぞれMicrosoftと提携し、AVDの機能を各ベンダーのクラウドサービスの一部として提供済みだ。同じくMicrosoftと提携する仮想デスクトップベンダーのNerdioは、AVDのコスト削減や仮想デスクトップ管理を容易にするツールを提供している。どの提携例でも主役はAVDであり、Microsoftだ。
2021年にMicrosoftは「Windows 365 Cloud PC」(Windows 365)というDaaSを発表した。Windows 365はエンドユーザーごとに専用の「クラウドPC」という仮想デスクトップを提供するサービスで、AVDの技術を基に開発されている。
次回は、AVDやWindows 365の利点、注意点を整理した上で、活発化するDaaS市場の行方を占う。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...
SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。
「Fortnite」を活用 朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...