プログラミング言語「Rust」は洗練された仕組みを持つ一方、それが開発者に幾つかの困難を押し付けることにつながっている。そうした困難の正体とは。
「Rust」はさまざまな用途で使えるプログラミング言語である一方、習得は簡単ではないとの見方がある。それはなぜなのか。具体的にどのような障壁があるのか。
Rustでは、変数を参照できる範囲である「ライフタイム」を指定することで、プログラムが変数を正しく参照しやすくすることができる。ライフタイムは、プログラムによるメモリ内容の破壊を防ぐ「メモリ安全性」の確保に役立つ。ただしライフタイムを明記すると、構文が複雑になる傾向がある。
不要なメモリを自動的に解放する「ガベージコレクション」は、Rustでは使用できない。これはRustを習得する上でのハードルとなり得る。
ライブラリ(プログラム部品群)が成熟していないことも、Rust開発者を悩ませる。Rustには強力な開発者コミュニティーがあるが、開発に関するサポートは十分とは言い難い。ライブラリやサポートが充実するまで、Rustの使用を待つ選択肢もある。
さまざまな課題があるにもかかわらず、Rustは人気だ。プログラマー向けQ&Aサイト「Stack Overflow」が2021年5月〜6月に8万3439人に対して実施した調査では、回答者の86.98%がRustを「最も好きなプログラミング言語」に選んだ。
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