サービス群の維持コストと複雑化に悩むSenserflow。同社が下した決断はアーキテクチャの刷新だった。同社は目標を整理し、プロジェクトチームを分けて取り組んだ。
2016年に創業したソフトウェアベンダーSenserflowは、スマートビルを実現するための複数のサービスやツールを提供している。同社はサービス群の運用において、システムの複雑化とコストの増加に悩むようになった。プログラミングの知識がなければデータを抽出できず、事業部門がデータを容易に利用できない点も課題だった。
こうした課題に直面していたSensorFlowは、サービス群を段階的に変えるのではなく、サービス群全体のアーキテクチャを根幹から見直すことにした。
アーキテクチャの刷新に踏み切ったSenserflowは、社内チームと社外チームに分けてプロジェクト体制を構築した。社内チームはダッシュボードなどのフロントエンドと、「API」(アプリケーションプログラミングインタフェース)開発を担当。社外チームにはデータ移行とデータベースの設計を委ねた。プロジェクトの人員は社内外の合計で13人だった。
同社は3つの共通目標を定めた。
目標実現のための主な取り組みは以下の2点だ。
Senserflowはこれら2つの工程の完了に約13カ月を見込んでいたが、最終的には約8カ月で完了した。同社はプロジェクトにかかったコストは40万〜55万ドルと試算している。
ITインフラの保守と運用に必要なコストは、月5万ドル以上かかっていたが、見直しの結果、全体で約80%削減した。1カ月当たり約4万ドルの収支改善が見込まれ、13カ月あればプロジェクトにかかった費用を回収できる計画だという。
第3回は、ダッシュボードの作り直しでSenserflowが得たメリットを解説する。
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