アーキテクチャ刷新の道のり【第2回】
「クラウドの乗り換え」で驚きのコスト削減結果に ある企業が実践した方法
サービス群の維持コストと複雑化に悩むSenserflow。同社が下した決断はアーキテクチャの刷新だった。同社は目標を整理し、プロジェクトチームを分けて取り組んだ。
2016年に創業したソフトウェアベンダーSenserflowは、スマートビルを実現するための複数のサービスやツールを提供している。同社はサービス群の運用において、システムの複雑化とコストの増加に悩むようになった。プログラミングの知識がなければデータを抽出できず、事業部門がデータを容易に利用できない点も課題だった。
こうした課題に直面していたSensorFlowは、サービス群を段階的に変えるのではなく、サービス群全体のアーキテクチャを根幹から見直すことにした。
「驚きのコスト削減結果」を出したアーキテクチャ見直し
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連載:アーキテクチャ刷新の道のり
「省電力」だけじゃない、スマートビルのメリット
アーキテクチャの刷新に踏み切ったSenserflowは、社内チームと社外チームに分けてプロジェクト体制を構築した。社内チームはダッシュボードなどのフロントエンドと、「API」(アプリケーションプログラミングインタフェース)開発を担当。社外チームにはデータ移行とデータベースの設計を委ねた。プロジェクトの人員は社内外の合計で13人だった。
同社は3つの共通目標を定めた。
- ITインフラのコストを毎月1万ドル未満に抑える
- 抽出するデータに一貫性を持たせ、意思決定を迅速にする
- ユーザーがデータを分析して業務や経営の改善に役立てるための、ビジネスインテリジェンス(BI)を使ったダッシュボードを実装する
目標実現のための主な取り組みは以下の2点だ。
- データベース言語のSQLを使用せずにデータベースを使用できるNoSQLデータベースの「Amazon DynamoDB」から、SQLベースのAivenのデータベースに変更。これによりデータの一貫性が担保されるようになった。
- エンドユーザーと従業員の双方が使うダッシュボードの設計を変更。データを分析してインサイト(洞察)を提供するツールとして、GoogleのBIツール「Looker」を利用。
Senserflowはこれら2つの工程の完了に約13カ月を見込んでいたが、最終的には約8カ月で完了した。同社はプロジェクトにかかったコストは40万~55万ドルと試算している。
ITインフラの保守と運用に必要なコストは、月5万ドル以上かかっていたが、見直しの結果、全体で約80%削減した。1カ月当たり約4万ドルの収支改善が見込まれ、13カ月あればプロジェクトにかかった費用を回収できる計画だという。
第3回は、ダッシュボードの作り直しでSenserflowが得たメリットを解説する。
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