クアルコムのXR用「新SDK」で充実 使えるヘッドマウントディスプレイは?Qualcommが目指すXRの未来【後編】

Qualcomm Technologiesは、XR技術を活用するためのSDK「Snapdragon Spaces」を強化した。Snapdragon Spacesが利用可能なHMDとして、どのような製品が登場する見込みなのか。

2023年07月19日 05時15分 公開
[Joe O’HalloranTechTarget]

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 モバイルデバイス向け半導体メーカーQualcomm Technologiesは、「VR」(仮想現実)や「AR」(拡張現実)、「MR」(複合現実)といった「XR」(Extended Reality)技術の発展を推進している。その取り組みの一貫として同社が提供するのが、XR技術活用のためのソフトウェア開発キット(SDK)「Snapdragon Spaces」だ。

 このほどQualcommはSnapdragon Spacesに、モバイルアプリケーションでのAR実装機能「Dual Render Fusion」を追加した。それに応じて、Snapdragon Spacesを活用可能なヘッドマウントディスプレイ(HMD)を追加している。具体的に見ていこう。

「Snapdragon Spaces」が使えるHMDのラインアップ

 Snapdragon Spacesを利用可能なHMDとして登場する見込みの製品を以下に示す。

  • OPPOの「OPPO MR Glass」
  • TCL RayNeoの「TCL RayNeo X2」
  • DigiLensの「ARGO」
  • Lenovoの「ThinkReality VRX」

 OPPO MR Glassの「Developer Edition」は、HMDの外側にあるカメラを利用して、HMDの画面に周囲の映像をリアルタイムで描画する「双眼ビデオパススルー技術」を特徴とする。より詳細には、エンドユーザーの両目の前に2台のカメラを装着することで、現実世界を立体的に描画できる。2023年後半に、中国のXR技術ベンダーEnlightXRによる提供が見込まれている。

 TCL RayNeoは、消費者向けのAR技術開発に加え、自社製品がSnapdragon Spacesを利用できるよう積極的に製品開発を手掛けている。同社は2023年中にTCL RayNeo X2を発売する計画だ。

 DigiLensのARGOは、一般企業および産業従事者向けの製品となる見込みとなっている。

 Qualcommの投資事業子会社Qualcomm Venturesは、有力XR企業に投資することによって、XR技術のイノベーションを実現、促進している。これまでにTRIPPやecho3Dへの投資実績がある。ファンドプログラム「Snapdragon Metaverse Fund」の一環として、メタバース分野におけるQualcommの地位をさらに高めることを目的に、以下への投資も開始した。

  • 米国のVRゲームベンダーSurvios
  • EnlightXR
  • 米国の仮想ワークスペースベンダーTangle

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