「無線LAN」は有線LANよりも“安くてうまい”のはなぜ?「無線ネットワーク」を生かし切る【第1回】

有線LANが主流だったオフィスのLANは、徐々に無線LANが主流になりつつある。無線LANをはじめとする「無線ネットワーク」を生かすことは、何がうれしいのか。

2023年07月26日 10時00分 公開
[John BurkeTechTarget]

 無線ネットワークはその実用性から、企業の間で活用が広がっている。特にオフィスでの利用が進んでいる無線ネットワークが、標準規格「IEEE 802.11ax」(Wi-Fi 6)準拠の無線LANだ。通信事業者が提供する「5G」(第5世代移動通信システム)のパブリックネットワークを部分的に占有する「プライベート5G」によって、オフィス内の無線ネットワーク構築を進める動きもある。

 オフィスにおいて、無線LANなどの無線ネットワークが優れていると言えるのは、なぜなのか。

「無線LANは有線LANより“安いくてうまい”」の真意は

 エンドユーザーは、いつでもどこでも利用でき、高速かつ安全な無線ネットワークを切望している。そうした無線ネットワークは、流動的かつ自発的なコラボレーションや、勤務場所を問わない新たなワークスタイルの基盤を成す。

 企業が社内における網羅的な無線LANを整備しつつあるとすれば、IT部門は有線LANを中心とした従来のLANの在り方を見直す必要がある。LANの主な構成要素は無線LANであり、有線LANは副次的なものとして、必要なときだけ提供するといった運用を念頭に置くべきだ。

 有線LANを無線LANの補助的な存在として位置付ける場合、IT部門は有線LANに費やすコストをどれだけ削減できるのだろうか。オフィスのLANが無線LAN中心であることを前提にすると、エンドユーザー用のエンドポイントにある、スイッチングハブのほとんどのポートを使用する必要がなくなる。結果としてスイッチングハブの台数を削減できる場合がある。

 企業が抱えるスイッチングハブの数が少なくなると、購入や電源投入、冷却、保守、管理、セキュリティ対策の対象となるスイッチングハブの数も減る可能性がある。これによりオフィスの新設や改築、再構成の際に、エンドポイント用の有線LANの構築コストを削減し得る。


 次回は、Wi-Fi 6準拠の無線LANのメリットを紹介する。

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