AR/VR市場の活性化に、Appleのヘッドマウントディスプレイ「Apple Vision Pro」は貢献する可能性がある。ただし専門家は、Apple Vision Proの“ある問題”が、その躍進を妨げかねないと語る。その問題とは。
Appleのヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Apple Vision Pro」は、拡張現実(AR)技術や仮想現実(VR)技術を駆使した企業向けアプリケーション市場の活性化につながるとの見方がある。一方でApple Vision Proには、企業利用を広げる上で対処すべき“ある問題”があると専門家は指摘する。それはどのような問題なのか。
Apple Vision Proの米国価格は3499ドル(約49万3800円)だ。調査会社Forrester ResearchのアナリストであるJ・P・ガウンダー氏は、この強気の価格が「企業がApple Vision Proを採用する際の妨げになる可能性がある」と指摘する。
「企業の購買担当は価格に敏感だ。企業は『極上の体験』を求めてはいない」とガウンダー氏は強調。一方でApple Vision Proを用いた研修の成果が、他のHMDを上回ることをAppleが示すことで、Apple Vision ProのHMD市場におけるシェアは「徐々に拡大する見込みがある」と語る。
調査会社IDCでアナリストを務めるジーナ・スミス氏は、AR/VR技術を使った研修が、企業の間で徐々に広がるとみる。具体的には複雑な製造装置を扱う作業や、コミュニケーションといったソフトスキルを教える場などで活躍する可能性があるという。企業向け研修用教材を開発するStrivr Labsは、Apple Vision Pro用教材を開発することを明らかにしている。
次回は、Apple Vision ProがAR/VR市場にもたらす影響を整理する。
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