長野県の千曲市教育委員会内の小中学校は、成績や教職員名簿などの校務データ、教育コンテンツなどを管理するファイルサーバを刷新。GIGAスクール構想でデータが増える中、データを削減しながら運用している。
IT製品ディストリビューターのネットワールドは2023年8月21日、長野県の千曲市教育委員会が、ストレージアレイの「NetApp FAS2720A」(以下、FAS2720A)を導入したと発表した。FAS2720Aは千曲市内の小中学校13校が利用する統合ファイルサーバとして稼働している。
千曲市教育委員会は千曲市役所にファイルサーバを設置し、各学校の教員名簿や、児童・生徒の成績などの校務データや教育コンテンツを管理してきた。サーバOS「Windows Server」搭載のサーバ2台とSAN(ストレージエリアネットワーク)ストレージ1台による冗長構成によって管理していたが、ある課題を抱えていた。
千曲市教育委員会は当初、市内の小中学校の校務データを、Windows Server搭載のサーバ2台とSANストレージによって冗長化したシステムに集約していた。しかし、冗長化構成にするためには、Windows Serverを搭載したサーバ2台とSANストレージの双方を管理する必要があることから、運用が負担になっていた。バックアップに数日かかることも課題だった。
これらの課題を解消すべく、同教育委員会は2016年に新たなストレージの導入に着手。以下の理由からストレージアレイの「NetApp FAS2520A」(以下、FAS2520A)を採用した。
千曲市教育委員会はメイン用のFAS2520Aを1台とバックアップ用のFAS2520Aを1台で統合ファイルサーバの仕組みを構成し、運用していた。システムの提案と構築はエプソン販売が担当した。その後、全国の学校にICT環境やデジタル教材を整備する「GIGAスクール構想」の影響で保存するデータが増加したため、千曲市教育委員会はFAS2520Aから上位モデルのFAS2720Aに変更した。
教育コンテンツや校務データは複数の学校から集めているため、同一のデータもある。FAS2720AのOS「NetApp ONTAP」に備わったデータ重複排除とデータ圧縮の機能によって、集まったデータから約30%を削減しながら保存できている。
FAS2720Aに変更する際にシステム構成は変更していないが、運用体制を見直した。現在ではSnapshot機能で朝夕のタイミングで1回ずつ各学校から必要なデータを取得し、90日分のデータを保持している。加えて、FAS2720Aの1台をメイン用、1台をバックアップ用として運用し、SnapMirrorによって両筐体間でデータを複製し、バックアップしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
クラウド全盛期になぜ「テープ」が再注目? データ管理の最前線を探る (2025/4/24)
データの多様化と肥大化が加速 ファイルサーバ運用は限界? 見直しのポイント (2025/4/8)
Hyper-Vは「次の仮想化基盤」になり得るのか 有識者の本音を聞く (2025/3/14)
「生成AI」の自社運用に“ちょうどよいサーバ”の賢い選び方 (2025/3/12)
クラウドストレージは便利だけど検索性が課題? 東急建設の解決策は (2025/2/25)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。