「Web会議はサステナビリティーに役立つ」という“うそ”のような“本当”の話Web会議ツールとサステナビリティーの意外な関係【第1回】

環境保護・社会貢献と経済成長を両立させる「サステナビリティー」。その確保に、実はWeb会議ツールが役立つという。どういうことなのか。専門家の見解を基に検証する。

2023年09月13日 07時00分 公開
[David WeldonTechTarget]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を機に、Web会議ツールは急速に普及した。実はWeb会議ツールは、環境保護や社会貢献といった取り組みと経済成長を両立させる「サステナビリティー」(持続可能性)の確保につながるとの見方がある。

「Web会議はサステナビリティーに役立つ」が“本当”の訳

 Web会議ツールには、よく知られた売り込み文句がある。「Web会議ツールを導入すれば出張の必要がなくなり、CO2(二酸化炭素)排出量が減る」というのがそれだ。実際に「Web会議ツールの利用は、出張によって生じるCO2はもちろん、従業員の通勤やオフィスのエネルギー使用によるCO2の削減につながる」と、調査会社Informaの技術調査部門Omdiaでプリンシパルアナリストを務めるプラチ・ネマ氏は述べる。

 主要なWeb会議ツールはクラウドサービスだ。Web会議ベンダーは自社サービスを運営するデータセンターで、電力をはじめとしたエネルギーを使い、CO2を排出する。これを上回るCO2排出量削減に、Web会議ツールが貢献する可能性があるとネマ氏は指摘する。CO2排出量削減を始めとする環境負荷低減は、サステナビリティー確保の主要な要素だ。

 企業はWeb会議ツールを駆使することで、オフィスの所在地によらず、世界各地から優秀な人材を採用しやすくなる。「Web会議ツールをコミュニケーションツールとして利用し、チームを世界各地に分散させれば、地域に根付いた製品/サービスの開発が容易になる」とネマ氏は説明する。

 場所を問わない働き方を実現すれば、サステナビリティーにつながる「多様性や包摂性(誰も排除しないこと)への取り組みが前進する」とネマ氏はみる。企業は近年、従業員や顧客、地域に貢献することが求められるようになっている。その手段として、Web会議ツールは「最適なツールになる」(同氏)。


 第2回は、サステナビリティー確保の手段としてWeb会議ツールを利用する具体的なメリットと、活用時の注意点を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news170.jpg

AIの進化が加速する「プラットフォームビジネス」とは?
マーケットプレイス構築を支援するMiraklが日本で初のイベントを開催し、新たな成長戦略...

news029.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2024年12月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news166.png

2024年の消費者購買行動変化 「日本酒」に注目してみると……
2023年と比較して2024年の消費者の購買行動にはどのような変化があったのか。カタリナマ...