OpenAIの生成AIツール「ChatGPT」をソフトウェアテストに活用する動きがある。具体的にどのように役立つのか。専門家の見解や、実際にChatGPTをソフトウェアテストに生かす経験者の声を紹介する。
機械学習(ML)をはじめとする人工知能(AI)技術の活用が、ソフトウェア開発の分野で広がっている。特に活用が急速に進んでいるのが、OpenAIの生成AI(テキストや画像などを自動生成するAI技術)ツール「ChatGPT」だ。ソースコードの作成や修正に加えて、ソフトウェアが想定通りに動作するかどうかを検証する「ソフトウェアテスト」にも、ChatGPTを生かそうとする動きがある。
ChatGPTは、ソフトウェアテストにどう役立つのか。
クラウド管理ツールベンダーNor Labs(Kionの名前で事業展開)のプロダクト部門でバイスプレジデントを務めるシェーン・クインラン氏は、ソフトウェアテストにおける
などに、ChatGPTが役立つと説明する。クインラン氏は、こうした用途が熟練のプロジェクトマネジャーやテスター(ソフトウェアテストを手掛けるエンジニア)に加えて、ソフトウェアテストに慣れる必要のある初級・中級の開発者にとって大きな助けになると考えている。
メッセージキュー/ストリーム処理用のオープンソースミドルウェア「Apache Kafka」のマネージドサービスを提供するConfluentで、テクノロジーストラテジー部門の責任者を務めるアンドリュー・セラーズ氏も、ソフトウェアテストにおけるChatGPTの有用性を認める。セラーズ氏は「ChatGPTに簡単なプロンプト(情報生成のための質問や指示)を与えるだけで、ChatGPTにテストシナリオを設計させることが可能だ」と語る。
ChatGPTは、プログラムのドキュメント生成や、テストシナリオのアイデアに関するブレーンストーミングに生かすこともできる。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)やクラス(データと処理をまとめた「オブジェクト」の設計図)の単体テストのテストシナリオ設計にも活用可能だ。
メールなどのコミュニケーションツール向けAPI開発を手掛けるNylasで、エンジニアリング部門シニアバイスプレジデントを務めるトロイ・アレン氏は、テストシナリオの生成にChatGPTを活用中だ。アレン氏は、テストシナリオの改善やソフトウェアテスト自動化用スクリプト(簡易プログラム)の開発にChatGPTを使うことで、ソフトウェアテストに費やす時間と労力を削減できるとみる。
中編は、ChatGPTをソフトウェアテストに利用する場合の注意点を専門家が語る。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
製造業の8割が既存顧客深耕に注力 最もリソースを割いている施策は?
ラクスは、製造業の営業・マーケティング担当者500人を対象に、新規開拓や既存深耕におけ...
「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。
新規顧客獲得と既存顧客のLTV向上、それぞれのCRO(コンバージョン率最適化)について
連載第4回の今回は、新規顧客の獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)、それぞれのCRO(コ...