画像やテキストを生成するAI技術「生成AI」に、バックアップベンダーは期待を寄せている。一方で、生成AIの利用に慎重論を唱える業界関係者もいる。
テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)を実装したツールは、IT部門の業務を効率化することに役立つ可能性がある。ただしその可能性があるにもかかわらず、重要なITインフラの管理に生成AIやLLM(大規模言語モデル)を活用することについて、慎重な態度を取るバックアップベンダーの関係者もいる。何を懸念しているのか。
データを分類、識別、ラベル付けするためのAI技術「識別AI」の用途は広がっているが、データを生成するためのAI技術「生成AI」の用途はまだ手探りの状態だ。「生成AIよりも、データの蓄積や加工、分析をするための基盤となるシステム『データプラットフォーム』の最適化を目的とした識別AIの使用が広がっている」。ストレージベンダーPure StorageのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域でCTOを務めるパトリック・スミス氏はそう語る。
ストレージの運用状況に関するレポートは正確である必要がある。企業の意志決定はレポートに基づくからだ。不正確な情報や、データの整合性が取れていないレポートは信頼できない。
「ストレージとバックアップは間違いなく生成AIと機械学習によって進化するが、情報を正確に扱えないのであれば、チャットbotの使用は推進すべきではない」。データ保護ツールベンダーVeritas Technologiesの英国リージョナルバイスプレジデント、バリー・キャッシュマン氏はそう警告する。
キャッシュマン氏は、データ保護戦略に生成AIを安易に組み込むことに反対している。その理由について同氏は、「現在公開されている生成AIは、ビジネスにおける重要なデータを第三者に開示し、法規制やコンプライアンス違反を起こす可能性がある」と述べる。
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