2027年度に“2兆円超え”のメタバース市場 リードする技術と課題は?NEWS

矢野経済研究所の調査によると、国内のメタバース市場は2023年度に前年度比207.0%増の2851億円まで成長する見込みだという。メタバース市場に参入する事業者の動きとは。

2023年09月22日 05時00分 公開
[成澤 亜希子TechTargetジャパン]

 矢野経済研究所が、仮想的な3次元(3D)空間「メタバース」の国内市場の動向を調査した。同社の推計によると、2023年度のメタバースの市場規模は前年度比207.0%の2851億円まで成長する。2027年度には、その市場規模が2兆円を超えるとの見立てだ。

メタバース市場「前年度比207.0%」の中身とは?

 メタバース市場を構成する製品やサービスとして矢野経済研究所が対象としたのは以下だ。同社は2023年4月から7月にかけて、メタバース関連の技術やサービスを扱う国内の事業者を対象に調査した。

  • メタバースプラットフォーム
  • メタバースプラットフォーム以外のコンテンツやインフラ
  • メタバースサービスで利用する「VR」(仮想現実)や「AR」(拡張現実)、「MR」(複合現実)といった「XR」(Extended Reality)用の機器

 2022年度までは、メタバースを活用した取り組みがさまざまな分野で広がったが、2023年度になるとそのブームは沈静化した。一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で生じた行動制限が解除され、人々の往来は戻りつつある。こうした変化を受けて、メタバース市場に参入する事業者のビジネスモデルが明確化してきていると矢野経済研究所は分析する。

 矢野経済研究所は、人工知能(AI)技術を使ったメタバースの活用に注目している。メタバースに蓄積される膨大なデータをAI技術で処理し、そのデータを仮想店舗での接客やコンテンツ制作に活用する事業者がある。一方で、AI技術が生成したコンテンツには著作権の所在や信頼性に関する課題があり、ビジネスで活用するには解決すべき点があると同社は指摘する。

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