HDDやSSDなどのストレージ単位で暗号化する「ストレージ暗号化」によって、企業はセキュリティ対策を強固にできる。Appleのクライアントデバイス「Mac」には、ストレージ暗号化機能の「FileVault」がある。企業のIT管理者は従来、FileVaultを管理するためにコマンドラインツール「fdesetup」を使わなければならなかった。だがAppleは、fdesetupの使用をもう推奨していない。
IT管理者はfdesetupを使うことでFileVaultを管理できるが、Appleはその使用を推奨していない。同社はFileVaultを管理する方法として「モバイルデバイス管理」(MDM)ツールを使うように促している。その理由の一つとして、サイバー攻撃者が端末を乗っ取った際にコマンドラインツールを悪用するリスクが考えられる。
Mac内のファイルやフォルダを個別に暗号化する場合、IT管理者はコマンドラインツール「OpenSSL」を使い、暗号化アルゴリズム「AES」(Advanced Encryption Standard)によって暗号化できる。
実際の手順としては、まずはOpenSSLのコマンドを実行するシェルスクリプトを作成しておく。シェルスクリプトとは、OSのユーザーインタフェースである「シェル」での操作をまとめた指示書だ。その後、MDMツールを使用して、作成したシェルスクリプトを対象のPCで実行する。MicrosoftのMDMツール「Microsoft Intune」を利用すれば、シェルスクリプトを実行する条件を制御するポリシーを作成できる。
ストレージ暗号化は、機密データを保護するためのさまざまな方法の一つに過ぎないが、Macを確実に保護するためには不可欠だ。企業のIT管理者は、個々のファイルやフォルダを暗号化するかどうかにかかわらず、FileVaultを有効にしてデータを保護する必要がある。FileVaultの暗号鍵はユーザーのログイン情報に関連付けられているため、MDMツールによってパスワードの要件を強固に定義しておく必要もある。
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