市場における存在感をますます強める生成AIだが、その導入状況については企業間で差がある。企業への生成AI導入を進めるためには、ある視点を忘れてはならない。
AI(人工知能)ベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」の登場から2023年11月で約1年がたった。テキストや画像などを自動生成する「生成AI」(ジェネレーティブAI)の存在感はますます強まっている。GoogleのAIチャットbot「Bard」や、LLM(大規模言語モデル)としてはOpenAIの「GPT-4」、Meta Platformsの「LLaMA」などが登場している。一方で、市場全体を見ると生成AIやLLMの導入は順調に進んでいるとは言い難い。導入が進まない要因は何なのか。
全米の大学向けに教育支援サービスを提供する非営利法人Achieving the DreamでCFO(最高財務責任者)を務めるジャニス・シュテュッケ氏は、「CFOの大半は生成AIの導入についてまだためらっている状況だ」と説明する。近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(感染症の世界的な流行)や急速な技術の変化、絶え間ない業務改革に伴い、従業員は疲弊している。「生成AIのような新技術の導入には、コストや人的資源が必要となるだけでなく、従業員の精神面にもかなりの負荷を与えることになる」とシュトゥッケ氏は指摘する。
シュトゥッケ氏は、生成AI導入が進まない要因の一つとして導入組織の規模に言及する。例えば、大企業ならば独自の「LLM」(大規模言語モデル)開発資金を捻出できる可能性がある。一方で、Achieving the Dreamのような中小規模の非営利組織が持つ予算や時間は限られており、仮に効率性や利便性といった生成AIのメリットに魅力を感じたとしても、大金を掛けて導入することは簡単ではない。「中小企業でも容易に生成AIを利用できるよう、生成AIベンダーは料金体系の見直しや、導入に掛かる時間の短縮方法を考える必要がある」(同氏)
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