企業が業務のために複数のSaaSを利用することは当たり前になった。こうした状況で問題となるのは、SaaSやオンプレミスシステム間のデータ連携だ。データの相互運用性を保つ方法とは。
企業に単一のアプリケーションでしか利用できないデータや、保管されているもののIT担当者が把握できていないデータが存在することは、珍しいことではない。SaaS(Software as a Service)で管理するデータは、オンプレミスインフラで活用しづらくなる場合がある。データの相互運用性を保つには、どうすればよいのか。
クラウドサービスの利用状況やコストの管理ツールを開発提供するスウェーデンのDigitalRouteで、製品およびパートナーマーケティング部門の責任者を務めるステファン・ヘイトリー氏は次のように話す。「企業ではシステムが相互にデータを送受信できないことが原因で、部門間でデータを連携したり共有したりできないという問題が生じることがある」
異なる方法で収集して保存するデータや、散在するデータを連携させて分析する作業は困難だ。ヘイトリー氏によれば、データに関連する問題としては以下のようなものがある。
ヘイトリー氏は複数のSaaSが保有するデータを統合し、上記のような問題を回避するための方法として、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を挙げる。
コンテンツ管理システム(CMS)を手掛けるContentstackで製品およびエンジニアリング担当のバイスプレジデントを務めるコナー・イーガン氏は、APIを利用したデータ統合の中核を担う技術として「コンポーザブルテクノロジー」を提唱する。「SaaSのAPIを活用するユーザー企業は、複数のSaaSをモジュール(部品)のように組み合わせることで、変化するシステム要件に合わせられる。各モジュールはインターネット経由で容易に更新可能で、セキュリティを維持するのに役立つ」(イーガン氏)
複数のSaaSやシステムにデータを保有する企業にとって最大の課題は、顧客のニーズに素早く応じることだ。「APIがなければ、データの統合はトラブルの火種になる」と、イーガン氏は考えている。同氏によれば、企業はAPIを使うことで
を同時に得られる可能性がある。「企業が対処しなければならないデータ管理に関する社内ルールや法規制、管理対象のアプリケーションは増え続けている。コンポーザブルテクノロジーのメリットは、統合の複雑さを緩和できることだ」
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...