「VPNがすぐ切れる」を解決するだけじゃない“Always on VPN”の利点はこれだWindowsのVPN問題を解消【後編】

Microsoftが提供する「Always on VPN」には、一般的なVPNサービスとは異なる幾つかの機能がある。何が違い、どのような利点があるのかを具体的に見てみよう。

2024年04月03日 08時30分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

 Microsoftはネットワークに接続した際に、VPN(仮想プライベートネットワーク)接続を自動で確立して維持するリモートアクセス機能「Always On VPN」を提供している。クライアントOS「Windows 10」以降と、サーバOS「Windows Serve 2016」以降で利用可能だ。

 MicrosoftはAlways On VPNの新機能の追加や既存機能のアップグレードを続けている。一般的なVPNとの違いと共に、アップデートで改善されたセキュリティやパフォーマンス面での利点を確認しておこう。

“普通のVPN”とは違う「Always On VPN」の利点とは?

 一般的なVPNと比べた場合、Always On VPNのセキュリティ面での特徴は以下の通り。

  • ユーザーの認証や認可、アカウンティング(アクセスの履歴をログに記録すること)を管理する仕組み「AAA」(Authentication, Authorization and Accounting)をサポートしている
  • 多要素認証(MFA)を利用できる。ただし、認証プロトコル「Remote Authentication Dial In User Service」(RADIUS)に沿って証明書とサーバを導入した上で、Microsoftの認証管理基盤「ネットワーク・ポリシー・サーバ」(NPS:Network Policy Server)も導入する必要がある。
  • 2要素認証機能「Windows Hello for Business」をサポートしているため、ユーザーがパスワードを入力せずにシームレスに接続できる

 これらの特徴に加えて、MicrosoftはサーバOS「Windows Server 2022」からは以下の機能を導入した。これにより、パフォーマンスとセキュリティを向上している。

  • VPNプロトコル「IKEv2」(Internet Key Exchange Protocol Version 2)のサポート
  • クラウドサービス版のディレクトリサービス「Microsoft Entra ID」(旧Azure Active Directory)を使った条件付きアクセスポリシーの統合
  • 「PowerShell」や「Microsoft Endpoint Configurarion Manager」などの管理ツールを用いた、マークアップ言語「XML」(Extensible Markup Language)プロファイル設定

 Always on VPNは2つのVPN接続方法を提供している。ユーザーがデバイスにログオンした後に利用するためのVPN接続である「ユーザートンネル」と、ログオン不要でデバイスの電源が入ると自動で接続する「デバイストンネル」だ。これも他のVPNと比較してAlways On VPNの特徴といえる。

 どちらのトンネルも同一のVPNプロファイルで使い分けることが可能だが、デバイストンネルはOSのバージョンに「Windows 10 Enterprise」またはWindows 10のバージョン1709以降が必要となる。

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