「CompTIA Cloud+」と「CompTIA Cloud Essentials+」は、どちらもクラウドサービスに関わるエンジニアに役立つ資格だ。それぞれ扱う知識の領域や深さにどのような違いがあるのかを解説する。
IT業界団体のコンピュータ技術産業協会(CompTIA)はクラウドサービスに関する認定資格として、「CompTIA Cloud+」(以下、Cloud+)と「CompTIA Cloud Essentials+」(以下、Essentials+)を用意している。どちらもエンジニアにとって価値のある資格だが、扱う知識の領域や深さに違いがある。Cloud+とEssentials+のそれぞれでは、クラウドサービスに関するどのような知識の習得ができるのか。
Essentials+はクラウドサービスに関連するビジネス慣行と、この慣行が組織に与える影響を重視している。どちらの資格もクラウド技術とそれらがビジネスに与える影響に関して評価する点では同じだが、Essentials+はCloud+に比べて、技術よりもビジネスに焦点を当てている。
Essentials+試験の概要は以下の通りだ。
Essentials+が確かめる知識は以下の領域が対象だ。
筆者は長年、システム管理に携わったが、キャリア形成に苦労した。ビジネス慣行やビジネス上の問題への理解が不足していたからだ。ITリーダーの役割に就くつもりなら、こうしたビジネススキルが不可欠であり、そのためにはEssentials+がうってつけの資格となる。現場のクラウド管理者であってもEssentials+の内容から得られる恩恵があるはずだ。
しかし、その逆は正しいとは言えない。非IT部門の人材がCloud+を取得してクラウド管理の実務について知る必要はない。
非IT部門の人材にEssentials+を推奨する理由の一つに、この認定資格が比較的シンプルで、他のCompTIA試験ほど専門的ではないことがある。Essentials+試験に出る用語は、非IT人材であっても知っている可能性がある。
Cloud+とEssentials+は、いずれもキャリアを発展させる良い方法だ。クラウドサービスに対するベンダー中立の見方を提示しており、それは強固な基礎力の土台になる。また、こうした見方ができることは、マルチクラウドの準備が整っているということだ。マルチクラウドでは、組織はさまざまなサービスをさまざまなクラウド環境でホストするからだ。あるサービスをAWSで、別のサービスをAzureで、といった具合だ。
なお、Cloud+とEssentials+のどちらの試験も、クラウドリソースの最適化によるコスト管理を重視していることも注目に値する。
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