「脱VMwareをすべきか否か?」にどう答えを出すかは“あれ”次第VMware買収によるライセンス変更は妥当か【後編】

VMwareを買収してから、BroadcomはVMware製品のライセンス体系を大きく変えることになった。これによって、VMware製品を利用してきたユーザー企業のCIOには、簡単ではない決断が求められている。

2024年06月17日 07時15分 公開
[Aaron TanTechTarget]

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 Broadcomは仮想化ソフトウェアベンダーVMwareの買収を2023年11月に完了させ、その後はVMware製品のライセンスおよび製品戦略を刷新してきた。サブスクリプション型へのライセンス体系の変更、製品バンドルの再編成といった変更があった。これによるコストの変動を受け、VMware製品のユーザー企業が「VMware製品を使い続けるべきかどうか」に関して難しい選択を迫られている。

 ユーザー企業はどのように結論を出すべきなのか。ユーザー企業のCIO(最高情報責任者)や業界関係者の意見を紹介する。

「脱VMwareをすべきか否か?」を左右するものとは

 ポリウレタンフォーム製造会社Sheela FoamのグループCIOであるパーティシ・マンコティア氏は、Broadcomの今回の動きによって、ユーザー企業のCIOにはプレッシャーがのし掛かると考える。VMware製品の利用を今度どうするのかについて判断を下すのは簡単ではないからだ。

 「特にそのユーザー企業がVMware製品を長年利用している場合、ライセンス体系の変更は倫理に反している」とマンコティア氏は述べる。VMware製品に依存している企業は、すぐに製品を切り替えることは難しい。そして、そのような企業は少なくない。「今回のBroadcomの決断がCIOの“苦境”に付け込んでいるのは、まさにそこにある」と同氏は指摘する。一方で「時間をかけ、優れたチームの助けを借りれば、近い将来に代替製品が見つかるはずだ」とも語る。

 技術顧問会社Primus Partnersの共同創業者であるデブループ・ダール氏は、「VMwareのバンドル内の全製品を利用しているわけではない中小企業は、競合サービスに乗り換える可能性がある」と言う。大企業であれば、コスト削減に期待ができ、複数製品のバンドルに利便性を見いだせることがある。「大企業に重点を置くことが、VMwareの最終損益とサービス品質の向上に貢献する可能性もある」というのがダール氏の考えだ。「製品のバンドル化は、より多くのユーザー企業がより多くのVMware製品を利用する動機になり得る」と同氏は言い添える。

 調査会社Forrester Researchで主任アナリストを務めるナビーン・チャブラ氏によれば、VMware製品のバンドルに含まれる全製品を利用するユーザー企業にとって、製品バンドルは理にかなうが、利用料金の上昇を招く場合がある。ただし1つか2つの製品しか利用しない企業のように、劇的に上がるわけではない。

 2023年5月、BroadcomのCEOホック・タン氏は、年間20億ドルの追加投資をして、VMwareユーザーにさらなる価値を提供することを約束した。その半分は研究開発(R&D)に、残りの半分はVMwareとパートナーのサービスを通して、ユーザー企業におけるVMware製品の導入の迅速化に投じられる計画だ。

 Broadcomは2023年度(2022年11月〜2023年10月)におよそ360億ドルの売り上げを計上し、そのうちの約53億ドルをR&Dに投じた。「当社には投資を集中かつシンプル化する文化がある」と、VMwareでクラウドプラットフォーム、インフラストラクチャおよびソリューションマーケティング担当バイスプレジデントを務めるプラシャント・シェノイ氏は言う。

 それでもチャブラ氏は、Broadcomのここ最近の変化に対して懐疑的な見方を崩さない。同氏は「市場がVMware製品の未来と方向性をうたがうのも無理はない」と述べる。

 「VMwareのプロダクトチームは、革新的でいるためのモチベーションを維持できなくなる恐れがある。絶え間のない革新があったからこそ、VMwareはいまの地位にある。それが消え失せてしまうように思えてならない」(シェノイ氏)

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