近年注目される生成AIの発展を支えているのが「自然言語処理」(NLP)技術だ。その基本的な仕組みから、NLPエンジニアとしてのキャリアまでを解説する。
テキストや画像を生成する人工知能(AI)技術「生成AI」や、そのベースとなる大規模言語モデル(LLM)の発展を支えている技術が、「自然言語処理」(NLP)だ。NLPによって、コンピュータは人間の言葉を解析し、その意味に基づいて言語を処理できるようになる。
NLPは、生成AIユーザーに限らず、テキストや言語のデータを扱う全ての組織にとって重要だ。NLPの知識は、AI分野の仕事に関わる人には欠かせない。本連載は、NLPの基礎からNLPエンジニアのキャリアまでを解説する。
NLPはAI領域における専門分野の一つであり、自然言語をコンピュータが処理できる形式に変換する処理を指す。コンピュータはNLPによって、自然言語のテキストや話し言葉を解析して処理できるようになる。コンピュータの解析は人間が言語を理解する仕方とは異なるものの、NLPの処理によって、人間が言語を理解して操るのと同じような結果を得ることができる。言い回しの違いや、文章の微妙なニュアンスから、感情を推測することも可能だ。
1950年代からNLPは存在している。2020年代の今、NLPが改めて注目されているのは近年の生成AIブームによるものだ。AIベンダーOpenAIの「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」といったAIチャットbotはNLPを活用している。AIチャットbotはチャットに限らず、テキストの分析と分類、言語翻訳、文法チェック、スパム検出など、幅広い言語タスクに活用できる。
生成AI市場の成長も相まって、NLPを扱うエンジニアの需要は高まっている。NLPエンジニアには、
など多岐にわたるスキルが求められる。特に、自然言語の概念や機能を理解するためには、言語学の包括的な知識が求められる。テキストや音声から詳細を抽出し、分析するためには、数学と機械学習のスキルが必要だ。ビジネス向けにNLPシステムを構築するには、モデルやルーティン(繰り返し実行される特定の処理)を作成するためのプログラミングスキルが必要となる。
次回は、NLPエンジニアの職務内容や求められるスキルについて詳しく解説する。
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