MacやLinuxでもWindowsを操作できる「Windows 365」を使う理由はこれだWindows 365の基本の基【後編】

「Windows 10」や「Windows 11」をデバイスや利用する場所に制限されずに使うための選択肢として「Windows 365」がある。Windows 365を使う理由とは何か。Windows 365の利点やプランをまとめた。

2024年09月08日 08時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 MicrosoftのクライアントOS「Windows」を利用する選択肢は、Windows搭載のPCを購入するだけではない。同社は「macOS」や「Linux」といったWindows以外のOS搭載のデバイスからでもWindowsを利用できる「Windows 365」を提供している。Windows 365を利用することでどのような利点が得られるのか。

MacやLinuxも対象? 「Windows 365」を使う理由とは?

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 Windows 365は、Microsoftが提供する「Windows 10」や「Windows 11」の仮想デスクトップを、インターネット接続を通じてどこからでもアクセスできることが特徴だ。これはMicrosoftが「クラウドPC」と呼ぶ、Windowsの仮想デスクトップを利用できるクラウドサービスとなっている。主な特徴と利点は以下の通り。

  • 通常のWindowsと同様の機能を利用できる
    • Windowsの機能の全てを仮想デスクトップで利用できる
    • デスクトップ版のMicrosoft 365を利用できる
    • エンドユーザー専用のデスクトップ、アプリケーション、データ、各種設定を利用できる
  • クラウドサービスの良さを享受できる
    • サポート対象のデバイスを使用すれば、エンドユーザーはどこからでもWindows 365の仮想デスクトップにアクセス可能
      • 例えば「Windows」「macOS」「Linux」「Android」「iOS」搭載のデバイスからアクセス可能
    • DaaS(Desktop as a Service)であるため、仮想デスクトップの管理や拡張など、インフラの運用にかかるコストの抑制に寄与
  • セキュリティ
    • システムやデータへのアクセスを制御する「条件付きアクセス」や「多要素認証」(MFA)といったさまざまなセキュリティ機能の利用が可能

 Windows 365には3種類のプランがある。

  • Windows 365 Business
    • 最大で300ユーザーまでの中小企業向け
  • Windows 365 Enterprise
    • ユーザー数の上限がない大企業向け
  • Windows 365 Government
    • 米国政府機関向け

 このうちWindows 365 Governmentを利用できるのは、米国政府機関とその請負業者に限られる。政府機関が求める要件は、他の業界よりもセキュリティ面で厳格になる。そのためMicrosoftは、Windows 365を含めて政府機関向けのプランを用意している。

 Windows 365 Governmentで利用できる機能は、Windows 365 Enterpriseなど他のプランと大きく変わらない。主な違いは、Windows 365 Governmentはセキュリティ面で政府機関専用の設計になっていることだ。米国政府機関やその契約業者が利用できるクラウドサービス「Government Community Cloud」(GCC)や、より高度なセキュリティを確保する「GCC High」で提供されるサービスを使用する権限のある組織向けの設計となっている。

 GCCとGCC Highは、いずれもセキュリティとコンプライアンス(法令順守)に関してMicrosoftが提供する商用クラウドサービスよりも厳しい要件を満たしている。GCC HighにはGCCよりも厳しい要件が課されている。

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