MetaはAI関連の取り組みが進展していることを受け、データセンターへの積極的な投資を実施する。その中で同社は、サーバなどの機器の耐用年数に関わる方針を一部変更するとみられる。
「Facebook」「Instagram」といったソーシャルネットワークサービス(SNS)を運営するMeta Platforms(以下、Meta)。AI(人工知能)技術の利用が広がることも後押しし、Metaの直近の業績は好調だ。そうした中、同社のデータセンターにおける投資や運用にも変化がある。同社はサーバなどの機器の耐用年数に関わる方針を一部変更する。
Metaの2024年第3四半期(2024年7〜9月)の売上高は405億8900万ドルで、前年同期比19%増だった。この結果について同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、AI関連の取り組みが進展したおかげだと評価している。特にAIアシスタント「Meta AI」や大規模言語モデル(LLM)「Llama」、AI搭載のスマートグラスなどに勢いがある。
好調な業績を受けて今後見込まれるのが、AI用のインフラを含めてインフラへの投資が増えることだ。Metaの財務担当バイスプレジデントであるチャド・ヒートン氏が説明したところによれば、AI関連と非AI関連にサービスを含めて、同社はデータセンターの増強を計画している。「インフラへの支出が2025年に増加する見込みだ」とヒートン氏は述べる。
サーバだけではなく、ネットワークも主な投資の対象になるという。ヒートン氏によれば、Metaは既存のサーバ更改に加えて、AI関連のサービスと非AI関連のサービスを共に強化するためのサーバ増強を図る。その他、2025年には生成AIなどAI関連のトラフィック(ネットワークを流れるデータ)の増加に対処するために、大容量のネットワークを構築する。別々の地域間でデータをやりとりしながらAIモデルのトレーニングを実施するためのネットワークインフラにも投資する。
Metaは以前、「データセンターにおけるサーバとネットワーク機器の耐用年数を延ばす」ことをコスト削減の手段の一つとして検討していた。サーバの耐用年数を延ばせば、原価償却費の削減と、初期投資額の抑制が見込める。
耐用年数を延ばす方針を今後も採用するのかどうかについて、最高財務責任者であるスーザン・リ氏は肯定しなかった。その背景にあるのが、GPU(グラフィックス処理装置)の進化だ。GPUサーバは新世代になることで性能が顕著に向上している。それを考慮すると、できるだけ最新世代のサーバを採用し、データセンターの有限のリソースを最大限に活用できるようにすることが、結果的にコスト効率を向上させる戦略になるのだと考えられる。
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