Flexera Softwareの調査から、IT予算の増大に悩むIT部門の意思決定者の様子が浮き彫りとなった。この問題を克服するには何をすればよいのか。
IT部門の意思決定者がIT予算の増大に苦悩している──。ソフトウェアベンダーFlexera Softwareが実施した調査結果からは、そんな様子がうかがえる。予算の増大はどの程度の規模なのか。問題を克服するには、どのようなIT製品やサービスに投資するのがよいのか。
支出が過剰と考えているツールは何か。この質問に対し、回答者の31%が「セキュリティツール」を挙げた。この数値は、2023年の調査結果(25%)から6ポイント増加した。
セキュリティツール以外でも支出が課題となっている。回答者の68%が、クラウドサービスやSaaS(Software as a Servive)で想定以上の支出が発生していると答えた。
IT支出を最適化する上での課題として、回答者の45%が「IT支出の増加抑制」、40%が「支出効率の改善と無駄の削減」、39%が「ソフトウェアベンダーによる値上げ」を挙げた。
今後12カ月間の優先事項を聞くと、1位が「業務への人工知能(AI)の導入や活用」(35%)、2位が「セキュリティリスクの低減」(28%)だった。調査結果は、セキュリティツールの導入や運用に伴うコストの増大や、ツールを統合する際の煩わしさが課題であることを示唆している。
調査結果からは、IT部門の意思決定者が今後担うべき役割もうかがえる。過去12カ月間における最優先事項について、回答者の48%が「業務への人工知能(AI)の導入や活用」を挙げた。
IT部門の意思決定者は、IT製品やサービスへの投資を包括的に可視化できるようにすることを望んでいる。しかしながら、過剰支出の是正や予算配分のバランスを模索する中で、さまざまな未知の要素と格闘しているのが現状だ。調査結果は、IT部門の意思決定者のこのような葛藤を明らかにした。
Flexera Softwareの最高情報責任者(CIO)、コナル・ギャラガー氏は「IT部門の意思決定者は無数の課題に直面している。そのような事態に対して、AIは短期的にも長期的にも利益をもたらす可能性がある」と提言する。「AIの導入や活用には莫大(ばくだい)な費用が必要だ。投資が生み出す影響を把握するだけでなく、事業目標を前進させる成果を速やかに示す必要性は高まりつつある」(ギャラガー氏)
ギャラガー氏は「AIはITに変革をもたらし、従業員の働き方を変える可能性がある。IT部門の意思決定者はこの実態を理解するだけでなく、推進する重要な役割を担っている」と述べる。
調査レポートは、調査会社Regina Corso ConsultingがFlexera Softwareの委託で米、英、ドイツ、オーストラリアの従業員が少なくとも100人以上が所属する企業のIT部門の意思決定者800人を対象に、2024年9月に実施した調査結果に基づく。
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