ITは今や、環境問題やCSRに無関係ではいられなくなっている。そこで、環境的欲求も同時に満たしてくれる経済的アプローチを紹介しよう。
かつてわれわれIT関係者は、環境と企業の社会的責任(CSR)についての会話には加わる必要がなかった。自分の仕事に干渉されない限り、いずれか一方の側に立つ者が、互いに熱弁を振るうに任せておけばよかった。
こうした話題は、昔はITとほとんど無関係だった。新しいソフトの選定や実装、ネットワークのアップグレード、データセキュリティ強化、あるいはサーベンス・オクスリー法(SOX法)やHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)のコンプライアンスに、環境とCSRは大して影響を及ぼさなかった。
しかし、地球温暖化ガスにまつわる懸念(われわれのサーバは大量の電力を消費し、サーバから発生する熱の冷却にさらに多くの電力を要する)や有害廃棄物(自分が捨てた機器から何が漏れ出すか誰に分かるだろう)により、われわれは今や問題の、そして恐らくは解決策の一部と見なされている。
個人的には、環境に優しいITとCSRに関する自分の立場ははっきりしない。経済学者のミルトン・フリードマン氏の見方に傾きがちな部分もある。フリードマン氏は1970年、企業の社会的責任は利益を上げることだと指摘した。そう考えた場合、企業内の個人や経営者は、社会的責任を果たすのに必要な手段は持っていることになる。しかし企業が力を注ぐのは、法的基準と倫理規範を守りながら、最大限の利益を出すことであるべきだ。
一方では、アウトドアウェアブランドPatagoniaの創業者、イヴォン・シュイナード氏の功績に傾倒している。同氏はPatagoniaを使って環境を保護するという固い信念を持ち、2010年までに同社の衣料品はすべてリサイクル素材、あるいはリサイクル可能な素材で作るという目標を立てた。Patagoniaの環境目標が、同社の経済的成功の理由だとシュイナード氏は信じている。
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