製造業はSOAの可能性を最も生かせる業界の1つだが、その導入に際しては幾つかのポイントがある。有効なアプローチを採用すれば、全社規模の大掛かりな業務改革まで行わずとも、SOAのメリットを享受できる。
SOA(サービス指向アーキテクチャ)の可能性を生かすのに適した業界があるとすれば、それは製造業だろう。しかし、製造企業がSOAプロジェクトを論じる際には、誰もが同じ用語を同じ意味で使うようにする必要がある。
ほとんどの企業サプライチェーン/バリューチェーンにおいて製造業は不可欠な要素であるため、製造企業の意思決定者たちはERP管理担当者と同じくらい可視性、管理性、俊敏性、実績を重視している。加えて、製造業界では個々の製造業務に関連した情報や技術、連係に対する要求、業務運営においてITがフォーカスすべき部分などが絶えず変化している。
このような状況が、製造業では標準的なビジネス/ITインフラのミニチュア版ではなく、ビジネス主体型サービスに戦略的・アーキテクチャ的なフォーカスを当てるべきだという主張の有力な論拠になっている。言い換えれば、サービス指向のビジネスアーキテクチャ(「SOBA」とでも呼ぶべきか?)にフォーカスするということだ。この場合、特定のSOAアーキテクチャに依存してもしなくても構わない。
現実の世界では、ビジネス主体型SOAは多数の要素を組み合わせたものだ。これらの要素としては、ポリシー、業務慣行、プロセス、サービス、リソース、技術、指標などに加え、これらのポリシーや業務慣行、プロセスの推進力となるビジネス目標とビジネスニーズがある。さらにこれらの目標とニーズは、企業のITサービス、リソース、基盤技術を規定し、その優先順位を決定する。そしてこれらのすべての要素が、(少なくとも理論上では)業務実績評価指標によってサポートされる。
言うはやすし、行うは難しだ。さらに厄介なことに、戦略的IT/ビジネス構想の成功に不可欠な以下の3つのタスクにも対処しなければならない。
製造企業がこの3つのタスクを上述の要素に正しく対応させるには、どうすればいいのだろう。その基準を決定するには、主要なビジネスサービスを特定し、優先順位を付ける必要がある。すべての製造企業のステークホルダーは、以下の点に関して合意できると思われる。
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