製造メーカーが「SOA対応」企業になるにはSOAのメリットを最も生かせるのは製造業

製造業はSOAの可能性を最も生かせる業界の1つだが、その導入に際しては幾つかのポイントがある。有効なアプローチを採用すれば、全社規模の大掛かりな業務改革まで行わずとも、SOAのメリットを享受できる。

2009年06月24日 08時00分 公開
[Michael Dortch,TechTarget]

 SOA(サービス指向アーキテクチャ)の可能性を生かすのに適した業界があるとすれば、それは製造業だろう。しかし、製造企業がSOAプロジェクトを論じる際には、誰もが同じ用語を同じ意味で使うようにする必要がある。

 ほとんどの企業サプライチェーン/バリューチェーンにおいて製造業は不可欠な要素であるため、製造企業の意思決定者たちはERP管理担当者と同じくらい可視性、管理性、俊敏性、実績を重視している。加えて、製造業界では個々の製造業務に関連した情報や技術、連係に対する要求、業務運営においてITがフォーカスすべき部分などが絶えず変化している。

 このような状況が、製造業では標準的なビジネス/ITインフラのミニチュア版ではなく、ビジネス主体型サービスに戦略的・アーキテクチャ的なフォーカスを当てるべきだという主張の有力な論拠になっている。言い換えれば、サービス指向のビジネスアーキテクチャ(「SOBA」とでも呼ぶべきか?)にフォーカスするということだ。この場合、特定のSOAアーキテクチャに依存してもしなくても構わない。

 現実の世界では、ビジネス主体型SOAは多数の要素を組み合わせたものだ。これらの要素としては、ポリシー、業務慣行、プロセス、サービス、リソース、技術、指標などに加え、これらのポリシーや業務慣行、プロセスの推進力となるビジネス目標とビジネスニーズがある。さらにこれらの目標とニーズは、企業のITサービス、リソース、基盤技術を規定し、その優先順位を決定する。そしてこれらのすべての要素が、(少なくとも理論上では)業務実績評価指標によってサポートされる。

 言うはやすし、行うは難しだ。さらに厄介なことに、戦略的IT/ビジネス構想の成功に不可欠な以下の3つのタスクにも対処しなければならない。

  1. 最も重要なビジネス目標とビジネスニーズ、そして主要なステークホルダーと意思決定に影響力を持つ人を特定し、優先順位を付ける
  2. 個々のビジネス目標とビジネスニーズ、そしてステークホルダーの利益に最も合致する技術とリソースを選択する
  3. 現在の契約、取り決め、取引形態が、技術的変化および市場の変化に対して自社のビジネスを保護できるものになっていることを確認する

 製造企業がこの3つのタスクを上述の要素に正しく対応させるには、どうすればいいのだろう。その基準を決定するには、主要なビジネスサービスを特定し、優先順位を付ける必要がある。すべての製造企業のステークホルダーは、以下の点に関して合意できると思われる。

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