リプレース案件のRFP作成で注意すべき「3つの移行」失敗しないRFPの書き方【後編】

RFP作成は新規導入だけではなく、リプレース案件でも重要なテーマになる。オンプレミス型からSaaS型へのグループウェア移行を例に、RFP作成の注意点を解説する。

2011年01月14日 08時00分 公開
[永井昭弘,イントリーグ]

 前編「RFP作成の注意点 スクラッチの場合、パッケージ/SaaSの場合」では、スクラッチ開発の場合、パッケージもしくはSaaS(Software as a Service)利用の場合、それぞれのRFP(Request For Proposal)作成の注意点を解説した。しかし、システム構築を企画検討しRFPを作成する場合、全く新規の開発ではなく、既存システムをリプレース(再構築)するケースの方が現在では圧倒的に多い。そこで後編では、システムのリプレース案件でのRFP作成の注意点を解説する。

移行全般に関するRFPのポイント

 システムのリプレース案件で留意しなければならない大きな課題として、「移行」がある。「移行はシステム開発プロジェクトの最大の難関」といわれる。実際に移行作業で大変な経験をされた読者も多いはずだ。この移行を成功させなければ、新システムの運用を開始することはできないため、避けて通るわけにはいかない。移行はこのように非常に重要な課題となるため、RFP作成時にもできる限り注意を払うべきである。

 しかし、RFPを作成する段階で移行に関する要求事項の詳細が分かるわけではない。移行に関して必要となる要件や条件は、当然のことながら現行システムと新システムの両方の仕様や構造が明らかになっていないと分からないからだ。従って、現実のシステム開発プロジェクトでは、RFP作成→要件定義→基本設計といった作業を進めながら移行計画を具体化していくことになる。

 そのため、RFP作成の段階では限られた要求しか記述できない場合が多い。しかし、それでも移行に関する要求は分かっている範囲で記載すべきである。

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