日本オラクルがパートナーと協力してERP「JD Edwards EnterpriseOne」をクラウドで提供する。運用管理を代替するサービスの他、従量課金でJD Edwardsを利用できるサービスも用意する。
日本オラクルは中堅企業向けに同社のERPパッケージ「JD Edwards EnterpriseOne」をクラウドで提供するサービスをパートナーと協力して行うと7月11日に発表した。早期の海外進出、海外拠点立ち上げを望む中堅規模の製造業を主なターゲットにする。
クラウドサービスは顧客企業の年商別に2種を用意する。1つは年商100億円以上の企業向けで、オラクルの米国オースティンのデータセンターに顧客が所有するサーバなどのハードウェアを設置し、顧客ライセンスのJD Edwardsを導入する。サービス名は「JD Edwards EnterpriseOne On Demand@Oracle」。ERPパッケージの「Oracle E-Business Suite」などで既に提供しているクラウドサービス「Oracle On Demand」を活用する。オラクルの管理者がハードウェアやソフトウェアの管理を担当することで、顧客は運用管理コストを下げることができる。
運用サービスは従量課金で支払う仕組みで、年間1300万円から。オラクルのパートナーが用意する業務・業種別のテンプレートをJD Edwardsに組み込むこともできる。同じ仕組みを日本国内のパートナーのデータセンターでプライベートクラウドのサービスとして展開できるメニューも用意する。パートナーとしてテンプレートを用意したり、システム構築で協力するのは、以下の14社。
もう1つのクラウドサービスは年商100億円未満の企業向けで、パートナー企業のデータセンターにJD Edwardsを構築し、顧客に従量課金で提供する。サービス名は「JD Edwards EnterpriseOne BPO プログラム」。顧客はライセンス、ハードウェア、運用課金のコストを負担する必要がなく、また、短期間でJD Edwardsを利用開始できる。ジェクシードコンサルティングがサービスを提供予定。利用料金は会計、販売管理、生産管理、在庫管理などのモジュールを使う場合で、月額10万円からの見込み。5ユーザーから利用でき、36カ月以上の契約が必要となる。他にパートナー数社が提供を検討している。
中堅企業向けERPの市場は国産のERPベンダーが主に競いあっている。日本オラクルの代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は「国内だけの事業であれば、ドメスティックなERPでもいいが、グローバル展開で求められるスピードやコストを考えると、多言語・多通貨に対応したグローバルERPを使うのが一番早い」と話し、システムの早期立ち上げが容易なクラウドサービスを活用したサービスのメリットを強調した。
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