企業の中で最も電力を消費する存在であるデータセンター。IT機器を冷却するためのファンが使用する電力も軽視できない。そうした状況を改善できる環境配慮型のデータセンター冷却技術が注目されている。
サーバの大規模化に伴う電力コストの増大は、組織の収益に影響を与えかねない。データセンターは通常、企業の中で最も電力を消費する存在だ。演算処理だけでなく、サーバやラックを冷却するのにも電力が必要だからだ。だが環境に配慮した方法でデータセンターを冷却するための取り組みも各種進められており、中でも、オイルバスを使ったソリューションには期待できそうだ(関連記事:環境配慮型のデータセンター冷却システムを導入したドイツ証券)。
米テキサス大学のテキサス先端計算センター(TACC)の副所長であるダン・スタンツィオーネ氏は2010年、Green Revolution Cooling(GRC)が開発した液浸冷却技術を実装した。液浸技術とは、ファンを外し、ディスクドライブを密閉した状態で、サーバをミネラルオイルなどの絶縁液体に浸すというものだ。オイルは導電性でないため、空気流を利用した従来の冷却方法よりもはるかに高い温度で安全にサーバを保管でき、データセンター冷却コストの大幅な節約が可能だ。同様の技術が3MとHardcore Computerからも提供されている。
「今でもラック内冷却やラックトップクーラーなど、高度な冷却技術は各種提供されているが、その多くはかなりのカスタムエンジニアリングを必要とする。私がこの液浸技術について気に入っている点の1つは、オイルにどのメーカーの機器でも浸せる点だ。15分もあれば、この環境で動作するようサーバを改造できる」とスタンツィオーネ氏。
流浸技術の他にも、環境配慮型のデータセンター冷却技術にはさまざまなものがある。仏Schneider Electricの「Uniflair」システムは、冷水を冷却コイルに注入し、そのコイルを経由して新たに冷却された空気をファンがデータセンターに供給するというもの。Uniflairの電子整流ファンは熱負荷によって制御されるため、電力消費を抑えられる。さらにSchneiderがリリースした密結合型空調装置は、冷却システムを熱源のさらに近くに配置し、冷却剤と水を入れ替えることで、効率を高められる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
クラウド全盛期になぜ「テープ」が再注目? データ管理の最前線を探る (2025/4/24)
データの多様化と肥大化が加速 ファイルサーバ運用は限界? 見直しのポイント (2025/4/8)
Hyper-Vは「次の仮想化基盤」になり得るのか 有識者の本音を聞く (2025/3/14)
「生成AI」の自社運用に“ちょうどよいサーバ”の賢い選び方 (2025/3/12)
クラウドストレージは便利だけど検索性が課題? 東急建設の解決策は (2025/2/25)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。