Wi-Fi網と携帯電話網の間でトラフィックをシームレスにローミングするHotspot 2.0。その実現のための動向を紹介する。
独Deutsche Telekomの最高技術責任者(CTO)であるオリビエ・ボージャール氏は9月に開催されたBroadband World Forumで基調講演を行い、いよいよWi-Fi網と携帯電話網の統合を実現する機が熟したと宣言した。
その根拠とは? モバイルトラフィックの90%は実際には家庭や職場から発生しており、屋外にいるユーザーによるものは約10%程度にすぎないという。それならば、オフィスやどこか近所のコーヒー店にいるユーザーのトラフィックは、最適化されたWi-Fi網にオフロードできるようにすべきではないだろうか?
Deutsche Telekomをはじめ、ネットワークの混雑の解消方法を模索しているキャリア各社にこう尋ねれば、「その通りだ」との答えが返ってくるだろう。オフィスから地元のコーヒー店まで歩いていく程度の移動であれば、携帯電話網とWi-Fi網をシームレスにローミングできるようにしたいと考える大手企業の多くも同じだろう。
だがほとんどの場合、この2つのネットワーク間のシームレスなローミングは実現していない。なぜなら、Wi-Fi網はログインごとに認証を行わなければならないからだ。「Hotspot 2.0」はそうした状況を一変させることを目指している。
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