モバイル専門家4人が2015年を予測
Apple×IBMの「iOS提携」は大吉か? 2015年のモバイル動向を占う
企業のモバイル活用を取り巻く大きな動きが相次いだ2014年。こうした動きは、2015年のモバイル活用にどのような影響をもたらすのか。専門家4人の見解から予測する。
2014年は、企業のモバイル端末活用にとって大きな変化のある1年だった。デバイス管理、アプリケーション開発、モバイルベンダーの関心により、2015年にはさらなる変化が予想される。
2014年初頭には衝撃的なニュースが飛び込んできた。それは、米VMwareが15億ドルもの費用を掛けてエンタープライズモバイル管理(EMM)ベンダーの米AirWatchを買収するというニュースだ。それ以降、モバイルに関する大規模な買収の頻度は緩やかに下降線をたどっている。ベンダーは、統合されたデバイス管理の機能の溝を埋めることとパートナーシップに集中している。
Apple×IBMのタッグで変わる企業のモバイル活用
プラットフォームの垣根を越えたモバイルパートナーシップも数多く見られた。例えば、米IBMと米Appleは、タッグを組んで企業向けの「iOS」アプリの開発に取り組み始めた。米Googleと韓国Samsung Electronics(以下、Samsung)は協力して、「Android」搭載端末で使用する新しいエンタープライズコンテナの開発に当たった。またカナダBlackberryはSamsungと連携して「Blackbery Enterprise Service」を開発。米Microsoftは「Office 365」と、「Dropbox」など他社のクラウドサービスとの連係を進めた。
米TechTargetは、エンタープライズモバイルの専門家に2015年の動向予測について話を聞いた。特に注目を集めたのは、
- 開拓の余地があるカスタムモバイルアプリケーション市場
- モノのインターネット(IoT)のデータとデバイスの企業環境への流入
- レガシーベンダーが進化する必要性
- エンタープライズモバイル管理(EMM)の未来
である。以下に専門家の見解を紹介する。
米Tech Superpowers創設者 マイケル・オー氏の見解
Appleが今後も成長を続けて、非常に高い目標を達成したいと考えるのであれば、会議で承認される以上のことを目指した努力が必要になるのは間違いない。目標には、アナリストや株主がAppleに求めているものもあれば、純粋な販売台数の数値も含まれる。焦点となるのはタブレットだろう。Appleは、そのためのおぜん立てをしなければならない。個人的には、AppleとIBMのパートナーシップが何らかのビジョンを示し始めるのではないかと考えている。
この動きは現CEOティム・クック氏のAppleを象徴しているように思える。故スティーブ・ジョブズ氏にただ追随して端末を製造するAppleではない。Appleは視野を広げて、他社とのパートナーシップに取り組み始めている。この取り組みは非常に大きな影響をもたらす可能性がある。ユーザーがコンシューマライゼーションによって変化するように、多くのApple端末は、こうしたエンタープライズプラットフォームによって変化するだろう。これが2015年のトレンドだと考えている(談)。
米dBrn Associates代表取締役兼モバイルアナリスト マイケル・フィナラン氏の見解
EMMに取り組んでいない企業は、保護すべき情報を保有していないか、現実から目をそらしているだけのどちらかだ。EMMには大きな成長の可能性があると考えている。その立役者となるのは、スタンドアロンのプラットフォームかもしれない。あるいは、長年実現に向けて取り組まれている、デスクトップPC、ノートPC、モバイルデバイスを1つのプラットフォームで管理できる単一のコンソールかもしれない。
この動きは現実のものとなるだろう。というのも、デバイス管理のコモディティ化は既に始まっているからだ。もはやEMMは魔法のような存在ではなくなっており、誰もがその方法を把握している。他のプラットフォームと統合して仕事を楽にすることもできる。デバイス管理は特別なものではなくなっているのが現状だ。誕生後の数年は特別なものだったかもしれないが、今ではありふれたものになっている。問題はユーザーが受け入れるかどうかだ(談)。
米J.Gold Associatesプリンシパル兼モバイルアナリスト ジャック・ゴールド氏の見解
“モノのエンタープライズ”(EoT: enterprise of things)、つまりエンタープライズに照準を合わせたIoTは、特に大企業において全てのインフラと運用に大きな影響をもたらすだろう。
企業が入手して処理するセンサーデータの量、車、首からかけているスマートウオッチやタブレットなどに配信されるアプリケーションの数。これらは全て、ビッグデータとその分析に多大なる影響を与えることになる(談)。
米TECHnalysis Research創設者兼モバイルアナリスト ボブ・オドネル氏
大半の大企業は、数千とまでは行かなくとも、数百のカスタムPCアプリを所有している。そして、カスタムモバイルアプリも幾つか所有しているだろう。モバイルアプリに関する動きは鈍く、やっと本腰を入れて取り組むようになった状態だといえるだろう。
モバイルアプリの本格的な普及までには時間がかかる。だがビジネス向けのカスタムモバイルアプリは、大きな注目を集めて成長するだろう。2015年には、その状況を目の当たりにすることになると予想している(談)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
7
テレワークやBYODでリスクが拡大、デバイスの多様化を弱点としない管理方法とは
-
8
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
9
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー