「クラウドが何か」の議論はもういい――可用性99.9%のシステムは実践あるのみ“幻滅期”のクラウド市場(1/2 ページ)

「クラウドとは何か」が語られ続けて10年がたとうとしている。現在、国内企業のクラウド導入の実態はどうなっているのか。ガートナーの情報を基に、クラウド導入の現状、今後の議題をレポートする。

2016年05月19日 09時00分 公開
講演の模様《クリックで拡大》

 2006年に「クラウドコンピューティング」という言葉が浮上してから10年がたった。技術のライフサイクルでいえば、クラウドは現在、5年来の「幻滅期」だという。クラウドを導入しても思ったほどITのコストが下がらない、柔軟性が高まらない――ユーザーの膨らんだ期待がしぼんでしまったのだ。ガートナー ジャパンは2016年4月末に「ITインフラストラクチャ&データセンター サミット2016」を開催した。ガートナー リサーチ・バイス プレジデント兼最上級アナリストの亦賀忠明氏の講演をレポートする。

 亦賀氏は「どんな技術も普及する過程で幻滅期はある。その技術がもたらす効能を冷静に見つめ、本物とニセモノを見極める上で健全なことだ。中長期的にはクラウドが普及していくのは間違いない。『クラウド化すべきか』という、10年も続く議論は早く終わらせ、次の議論に向かうべきだ」と主張する。

現実は、「クラウド化」は緒に就いたばかり

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。